心奪われるべトナムフレンチタイル!
初めてインテリア装飾の世界に足を踏み入れた時、「アラス」に出会いました。
美しい配色、不思議なパターン、そしてさらりとした感触を手にしたとき、素足で歩くとどんなに気持ちがいいだろうと、アラスの全てに心が躍りました。この時、私は間違いなく恋に落ちました。
アラスは1枚だけでも十分に美しいので書棚のディスプレイやコンソールの上に飾ることも素敵です。
セメント製のタイル「べトナムフレンチタイル」を熱く語ります。
べトナムフレンチタイルの「アラス」
アラスの美しさを堪能しましょう。
1枚だけを眺めるのは十分とは言えず、とても勿体無いことです。
パターンをいくつか並べてみましょう。
VJ8 x 16枚
VJ13 x 16枚
VJ3 x 16枚
VJ2-2 x 80% & VJ7 x 20% ミックス
ランダムにパターンをミックス
アラスのご紹介
正式名称は「エンカウスティークセメントタイル」
エンカウスティーク(Encaustic)とは、蜜蝋や顔料などを混ぜて作る絵の具のようなものです。簡単に言うと色のついた蜜蝋を溶かして描くというものです。実は美術史上最古の絵画技法です。最古の美術品には、古代エジプトで出土したミイラの棺の蓋に描かれたこのミイラの生前の肖像画がエンカウスティークで描かれています。驚くことに、ほとんど描かれた当時のままの状態で保存されていたといいます。このことからエンカウスティーク技法が、耐光性、耐水性、耐酸性などをもつ優れた有機物質であるということがわかります。
建造物を装飾するためのタイルに、永遠の美を描いたエンカウスティーク技法。
エジプトから始まったタイルの歴史が、長い長い年月を経てベトナムへ続いていきます。
べトナムフレンチタイルの誕生
エンカウスティーク(Encaustic Tile)タイルはもともとヨーロッパで製造されていましたが、フランス人が1850年代にこのタイルの生産をベトナムにもたらしました。 それ以来、ベトナム人はこのエンカウスティークセメントタイルを製造し続けており、多くはヨーロッパの古典的なデザインパターンを使いますが、歴史の中でベトナム独特のモダンデザインを融合させ進化してきました。 ベトナム人の手指は大人でもヨーロッパ人のそれと比べると細く、細やかな作業に向いています。ベトナムフレンチのエンカウスティークセメントタイルはこういったことから細やかなデザインを生み出しました。フランスはこのベトナム製の非常に細やかなデザインのタイルを世界中に輸出しました。それからべトナムフレンチタイルは芸術度の非常に高い、そして耐久性の高い床タイルとして拡大して行きました。
フランス人、ヨーロッパ人が世界の多くの地域を植民地化したとき、彼らはフランスのエンコースティックタイルの製造技術を各地で繁栄させました。製造が非常に簡単であると同時に、とても長持ちすることが証明されていたからです。他にも このタイル製法はスペインやイタリアを経由してキューバ、インド、メキシコ、カンボジア、モロッコなどの多くの熱帯地域に浸透して行きました。
べトナムフレンチタイルとは色使いやパターンが違うカラフルなキューバタイル、素朴な風合いのルスティコスタイルなど、また別の機会に解説しましょう。
ユニークな製造方法
Source: https://carreauxmosaic.com/photos-carreaux-ciment
焼成したタイルとの大きな違いは、べトナムフレンチタイルは焼いていないことです。近年、環境への配慮からべトナムフレンチタイルが再度注目されているのはこういった理由もあるでしょう。
このタイルは、本質的に2つの層で作られています。 金型へ必要な色を流し込み、強度の高い大理石の粉末を加えます。下層になる高強度の混合したセメント粘土加えます。これをプレスして固めます。しっかりとした厚みがあるのは、こういった製造方法だからです。
以前は手動油圧プレスが使用されていましたが、今日では電動油圧プレスを使用するように変更されています。 その理由は、電気プレスがタイルの一貫性を高め、より高い圧力(1,500 PSI)でタイルの強度を高めることができるからです。
インテリア
この個性的なタイルをどのように、どこに使用しているか。海外のインテリアを参考にしてください。
ダイニングのフロアをタイルにするのは大いに賛成です。
汚れてもふき取るだけで染みになんてなりません。
Source: elitetile.com
バスルームの空間は少し小さいですが、小さい空間こそ思い切ったデザインが映えます。
Source: lawnscapings.blogspot.com
カウンターの面を絵画のように、1枚のアートとしてとらえた素晴らしいフォーカスポイントのアイデア!
Source: fashiontrendsetter.com
玄関ドアを開けたら、こんなに素敵な空間があるなんて!
訪れた人が必ず「素敵!」と驚くでしょう。
クラシカルでいてモダンな雰囲気のベトナムフレンチタイル。シンプルな幾何学模様でもおしゃれな雰囲気です。
ショップのカウンターがベトナムフレンチタイルです。個性的かと思いきや、意外とインテリアに溶け込んでしまいます。
こちらはYborBeverage Co、コーヒーとワインを楽しむカフェです。
カウンターのデザインはカフェにとって看板のようなものですね。
セメントタイル専門店はL.A.のウエストハリウッドに。
セメントタイルだけのタイルショップが存在するほど、注目度が高いことが判ります。
フランスではお馴染みのエンカウスティークセメントタイル。
色使いがとても参考になります。
お手入れ・お掃除方法
使ってはいけないもの:
酸性または研磨性のクリーナー、または漂白剤を含む製品は使用できません。鉄やステンレス製のブラシやたわしも使用しないでください。赤ワインやレモンジュースなどの酸性液体はすぐにふき取りましょう。
使うもの:
水・中性洗剤・柔らかい布・しっかり乾燥させること。
表面を保護するコーティングはお好みで使用します。
ベトナムフレンチタイルのアラスを見てみよう!
とても素敵なタイルなので、時間をかけてじっくり想像してみてください。アイランドキッチンのカウンター壁面、玄関ホール、階段側面など、アイデアが止まりませんが、皆さんどんなところへ使うのでしょうか。
とても美しい、素敵なベトナムフレンチタイルのアラス。
ご質問やご意見などはいつでもお送りください。
セラコアミッド店でお待ちしています!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?