トラウマによる影響とは

1つ前に「トラウマとは」という記事を書かせていただきましたが、今回はトラウマが与える影響について書かせていただきます。

トラウマが呼び起こされると、心身にどんな反応が起こるのでしょうか?

「体が震える」「その場から動けなくなる」「心臓がドキドキする」「冷や汗が出る」など、たくさんの反応が思い浮かぶかと思います。

どれもトラウマによる影響と考えられますが、ここでは6つの項目に分類し、より専門的にみていきたいと思います。

【トラウマによる影響 6つの分類】

○侵入症状
反復的で苦痛な夢、フラッシュバックなどを指しています。何度も繰り返し苦痛な体験が想起され、なんとも苦しい状況です。また、それによる生理的反応(汗が出る、心臓がドキドキ)なども含みます。

○陰性気分
「私が悪い」「信用できない」「世の中危険なことだらけ」「などの否定的な信念が生まれ、ネガティブな感情に支配されしまいます。これも辛いですね。

○解離症状
刺激への反応が鈍くなってしまったり、引きこもりがちになってしまいます。この状態になると、ご自身の身体的な安全も脅かされつつありますね。

○回避症状
危険に直面化したことを察知すると、あまり考えずに即行動に移してしまいます。そのため、戦うか逃げるか(闘争・逃走反応)という極端な判断となってしまいます。認知的視野狭窄とも言われます。

○覚醒症状
イライラしたり、眠れなくなります。周囲の状況に過敏になっている状態ですね。この状態が続くと、心身ともに疲れてしまいますね。

○社会面
他人を信用することができなくなり、他者からの孤立、集団への不適応が生まれます。

以上がトラウマによる影響です。

なんとも恐ろしい・・・。
過去の衝撃的なエピソードがここまで影響を与えるとは。
更に恐ろしいデータが北米で発表されているのですが、健常者の70%~90%近い人が何かしらのトラウマ体験を経験しているというのです。海外のデータであるため、日本人にどこまで適応しているか分かりませんが、ほどんどの人が、トラウマによる影響を受けながら生活しているという事です。皆さんもそれぞれ思い当たるトラウマ体験があるのではないでしょうか?

意識しないと気付かない程度かもしれませんが、実は何かしらのトラウマの影響をうけつつ日常を送っているのかもしれません。「○○みたいなタイプの人が苦手で…」「中年の角刈り男性が相手だと緊張する」「あの場所に行くと思うと足取りが重い」「○○の映像を見ると気分が悪くなる」などなど、トラウマ視点で考えていくと思い当たることがあるのではないでしょうか。

トラウマによる影響を正しく理解することで、「なぜが苦手」「なぜができない」を克服するきっかけにできるかもしれません。相手を知らないと戦うことはできません。ご自身の「良く分からない苦手意識」に立ち向かえるよう、トラウマについて知ることが大切なのではないでしょうか。

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