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🚃北陸新幹線は金沢止まりが最適だった

先日は京都ー金沢間を各駅停車のみで移動する旅を強行しました。
まぁ無職の間だからできることであって、働きだしたら体力的にできるものではございません。

この記事はnoteマガジンでも取り上げていただき、感謝しております。

さて、今回は改めて北陸新幹線の敦賀以南の延伸について述べさせていただきます。
まぁ結論を行ってしまうと「北陸新幹線は金沢止まりが最適だった」と言いますか、もっと言えば富山止まりでも良かった気がしているのですが、改めて北陸新幹線の今後について考えてみたいと思います。


🚄国土強靭化の観点では米原ルートがベスト

北陸新幹線敦賀以南については、ルートは小浜ルートに決定しています。
これ、実は「誰が決めたか」はわからないんですよ。
日本お得意の責任者不在って奴です。
ただコレ、政治的にはどうしても小浜を通らないといけないんですよ。

というのも、敦賀~小浜にかけては日本でも類を見ない原発銀座でありまして、危険な原発を引き受けてもらってる見返りとして新幹線を通してあげなきゃいけないという「大人の事情」があるのです。
なので小浜ルートの出発点は〚国土強靭化〛が出発点ではなく〚原発利権〛が出発点だったりします。

一方、国の「建前の目的」である〚国土強靭化〛をベースに考えれば、やはり米原ルートがベストになります。
これは北陸へのアクセスは関西からだけでなく名古屋からも存在していたことから明らかです。

小浜ルートは無事開通できたとしても名古屋からのアクセスは不便なままなので、小浜ルートを選択するということは名古屋を切り捨てるということになります。

🚆ぶっちゃけ敦賀乗換より米原乗換のが色々マシ

「米原ルートにしたところで乗換場所が敦賀から米原になるだけだ!」という話は多く、それは尤もなのですが、コレは利用者目線で見ても「敦賀乗換より米原乗換はずっとマシ」なのです。

まぁ関西方面から米原乗換するのは時間的には大して短縮にはなりません。
どちらかと言えば費用面で敦賀乗換より米原乗換の方がマシなのです。

というのも、米原乗換によるメリットは主に2つあります。
・米原までは新快速が通っているので特急料金を削減できる
・速く行きたければ新幹線同士で乗換ができる
この2つが米原ルートのメリットです。

現状では大阪ー敦賀間と名古屋ー敦賀間は在来線特急が繋いでいます。
一応関西方面から敦賀までは新快速が通ってはいますが、日中に毎時1本しかないので、ほぼ特急を使わざるを得ないんですよね。
一方、米原乗換の場合は1時間に2~4本の新快速が関西方面からはありますし、名古屋方面からも特別快速が繋いではいます。
岐阜から米原は各駅停車ですけども。

もう一つが新幹線同士の乗換で、一応、東京ー鹿児島中央間の新幹線乗継特急料金は通し料金になってます。

まぁ高崎や大宮駅でのⅤ字乗換は乗継料金の対象外になっていて、米原乗換が同様になる可能性は高いっちゃ高いんですが、もし乗継における特急料金が通しになる場合、敦賀乗換の現行よりは安く上がりますね。

大阪ー金沢間の距離はだいたい大阪ー浜松の距離と同程度なのですが、大阪ー浜松間の新幹線特急料金は8,570円です。
なので新幹線乗継の特急料金が通しの場合、サンダーバードと敦賀で乗換えて9,410円も払っている今よりは600円程度安くなるでしょう。

ちなみに名古屋ー金沢の距離は概ね名古屋ー熱海間の距離より少し短い程度で、名古屋ー熱海間の新幹線料金が8,240円です。
米原で新幹線同士を乗継ぐとして、だいたい近しい価格になるでしょう。

尤も、技術的には東海道新幹線からの直通は現段階でも「やろうとすればできる」ようなのですけどね。

実際のところ、東海道新幹線の〚こだま〛は名古屋止まりが多く設定されていますし、名古屋発と新大阪発なら毎時1本くらい北陸新幹線に直通することはできそうです。

尤も、新幹線はJR東と東海で規格が違いまして、北陸新幹線は実質的にJR東の規格を使っているのです。
JR西のW7系はJR東のE7系と同系統の車両な上に、川崎重工が中国への車両輸出の件でJR東海(葛西敬之)と揉めてますんでね・・・。

🚇小浜ルートは2100年になっても全通は不可能かと思う

じゃあ小浜ルートで新幹線を通すとして、果たして工事を完遂できるのかという問題が付きまといます。
小浜ルートで新大阪まで繋ごうとすると、どうあっても山を突っ切らないといけないんですね。
仮に京都を避けるとしても山を突っ切らずに行くなんて無理で、どう頑張っても水と残土の問題が発生します

リニア工事と同様の問題が北陸新幹線の小浜ルートでも発生するため、工事中断はほぼ確実に起こることが予想できます。

リニアはこの問題が出る前の時点で既に1.5兆円の予算オーバー。
物価(資材・人件費)高などもあって、費用は更にオーバーするでしょう。

これに建設業の人手不足問題が加わり、リニアも恐らく2100年になっても開通しません。
日本という国家が少子化で無くなってるのが先なんじゃないかな。
なので小浜ルートも2100年になっても開通できないと思います。
8年前の試算では約2兆円となっていましたが4兆円は超えるでしょう。

結局、敦賀以南・以西問題を加味すると、北陸新幹線は金沢で止めておくのがベストだったんですよね。

「新幹線は人口減少に歯止めをかけられる」なんて話を聞きますけど「新幹線は出生率を向上させない」のでね。
「新規に富を生み出す」のではなく「富の移転が発生するだけ」なんです。
なので北陸新幹線で高岡や直江津の衰退が加速し、鯖江の空洞化が始まっているように、人口減少時代においては無理に新造する必要がございません。

尤も、建設業の衰退は加速すると思いますので、小浜ルートどころか米原ルートすら現実的には無理
2030年以降は現状のインフラ維持すら手一杯となるでしょう。
それを加味すると、ともすれば北陸新幹線は富山止まりで良かったかも知れませんね。

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