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学校のテストで順位を発表しなくなった愚かさ…🏫

とあるゲームのチャットでソレを聞いた時は衝撃でしたね。
中高生のテストで近年は順位を発表しないというのですから。

「アホな…順位が発表されないテストとか何の価値があるんや…」

そう思うものですが、調べてみると順位を公表しないのがトレンドになってきたのが10年くらい前からと、随分と昔のようですね。
順位を公表しないことに衝撃しか感じないのですが、じゃあ「なぜ公表しなくなったのか」というのはハッキリとした理由がわからないんですよ。
この点についての意見と、順位が公表されない中での大まかな順位の知り方について書きたいと思います。

🏁競争否定という考え方

中間テストや期末テストの順位が公表されなくなった要因に、どうも「過度な競争に繋がる」という意見が多く見られました。
そこで思い出したのが冒頭にあるドラゴン桜の一コマです。

要は競争否定が価値観として出てきているわけですね。
順位公表しなくなった理由を探して連関図を作ってみようとしましたが、正直断念しました。

順位付けいないことを良しとした理由

特にフィンランドが引き合いに出されていますが、そもそもフィンランドと日本は教育制度だけではなく、経済や文化含めて社会設計が色々と違いますのでね。
例えば順位公表しない学校でも虐めを受けている生徒の話は聞きます。
例えば順位発表をする学校としない学校で、虐めの件数も公表されていれば成績発表の有無との相関性を統計的に分析することができます。

が、まぁ当然そんなものはないわけでして、テストの順位を発表しないことが虐めを防ぐという科学的な立証はできないわけです。

🏆正規分布を使えば「大まかな」順位は(一応)測定できる

「キミのガッコは順位を出してない言うけど平均点は出してるんか?」と訊けば、だいたいの学校で平均点は出しているようです。
平均点が分かれば大まかな順位は把握することができます。
そのアイテムが正規分布です。

正規分布の曲線

正規分布って言うのはこういう曲線を描くもので、品質管理検定の2級で登場するのですが、高校の数学でも習うみたいですね。
だいたい平均から±11点ずつに人が集中している想定です。
単にゾロ目が好きなだけなので数字は気にしないでください。

数学が苦手な私はこれ覚えるの大苦戦したんですが、その基本的な式はこんな感じになります。

N(μ,σ²)

で、まぁコレだけ見るとよくわからんので、ここから自分の順位を出すにはℤ値って言うのを求めるわけです。
ℤ値の求め方は(X-μ)÷σ²で求められます。
μは平均値であり、σ²は分散です。
例えば現代文のテストの平均値を66点とし、自分の点数が77点なら…

ℤ=(77-66)÷22=0.50となります。
この値を出したら、次は標準正規分布表から0.5という数字を探します。

リンク先の標準正規分布表Z値0.5の場合

リンク先の正規分布表でZ=0.5の行を探します・
次は0の列が交わるところを探すと0.308538という数字が見つかりますね。

この0.308538に平均値以下の0.5を足すと0.808538となります。
学年に444人の生徒がいたと仮定しますと…
444×0.808538=358.990872
ただし平均点より高い以上順位は上にいるはずなので444から引きます。
444-358.990872≒85

学年444人の学校ならだいたい85位近辺にいるということになります。
逆に55点の人は307位ぐらいにいるということになると思います。
正直なところ知識は微妙ですが。
ただコレ、分散は結局「イメージ値」でしかないため、分散の値が変わると順位も変わってまうんですよね。
あと年収にしてもそうですが、学校のテストって実際は多分正規分布になりません(苦笑)

先の例は「平均点66点の±22点に68.26%の人が集中してる」計算です。
現実にはそういうことはないでしょう。
なのでこのやり方はσ²の部分をどう取るかという(大きな)欠陥があります。
それでも人はなんだかんだで競争は好きだし、順位が公表されない中で自分の大まかな実力を把握する意味では正規分布は使えると思います。

そのためにイチイチ統計学を勉強するのもメンドイのですが、今は大数学時代なので覚えといても損はありません

ただやっぱり、順位って言うのは敢えて生徒に伏せる理由はわからないですけどね。

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