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課長を「管理職」と呼ぶのはやめなさい🏢

常々申し上げると日本と言う国は法治国家じゃございませんで、空気によって支配されてる空治国家と言った方が妥当です。
中でも特に守られない法律が労基法と派遣法でして、多くの企業が(守った気になっていて)守っていないものが管理監督者の規定です。

一般的な認識としては課長から残業代が出なくなるということで、これは社員が昇格したがらない理由の1つになってしまいますが、同時に「課長を目指す人は(恐らく)サビ残をする」ということで、間接的に労働環境を悪くする状態ともなっています。
そこで今回は「課長を管理職と言うのは妥当なのかどうか」ということについて考えてみます。


👔課長は管理職と呼ぶべきではない

結論から言って、多くの企業では課長を管理職と言うべきではありません
多数の方がご存じのように、今の日本企業の課長はプレーイングマネージャーです。
そもそも本当に課長の仕事ができているのかすら疑問ですが、労基法の定める管理監督者とは経営と一体にあり、出退勤時間や休日などを自分の裁量で調整できる人になります。
この点、日本企業の課長の多くは始業時間は定まっており、休日も自由に調整はできないでしょうから、裁判例でも「残業代を払え」で決着がついていることが殆どなんですね。

一応、アルバイトや契約社員の採用は課長の裁量で決まることは多いです。
ただ正社員の採用となると、社長や役員の判断で決まることが殆どです。
現場とのマッチ度は確かに課長が見ますが、会社とのマッチ度は社長が直々に判断することの方が多いでしょう。
少なくとも課長は労基法上の管理監督者に当てはまっていないことの方が多いわけです。
もちろん、企業規模によっても課長の裁量はまちまちで、稀に課長がワンフロア中を仕切っているケースはあります。コールセンターのマネージャーなんかはプレイヤーをやってないですから、そういう人達は経営と一体にある可能性はあります。

🏢経営と一体にあると言えるのはだいたい部長以上から

じゃあ経営と一体にある人達はどの役職からかと言うと、概ね次長以上、次長が無い会社なら部長以上からです。川崎の会社で勤務していた時はカンパニー制の会社でして、事業部ごとに1つの会社のような組織図になっていたのですね。
その中でプレジデントなんて呼ばれてた人は本当に経営と一体です。
事業部制にしても、概ね事業部長になれば経営上で充分な裁量権を持つでしょうから、そうした人達は労基法上でも管理監督者となるのが妥当と考えられるでしょう。

📠課長は「中間責任社員」と言うのが妥当ではないか

一般的に「中間管理職」と言われる課長ですが、果たして「中間管理職」と言う呼び方が妥当なのかというのもあります。
本来なら「管理者≠管理監督者」ですが、世間ではそう認識されていません。
となると「中間管理職」と言う呼び方に問題があると思います。

思うに課長は「中間管理職」と言うより「中間責任社員」と言った方が良いんじゃないかと思います。
経営上の責任って最終責任ですから、何かデカいトラブルがあって記者会見などで謝るのは、基本的に経営者ですよね。
課長クラスが記者会見で謝ることって言うのはあんまりありません。
やはり課長では経営上の責任(最終責任)は負えないのです。

ならば課長のポジションとは「中間責任社員」であって、中間責任ともなれば管理監督者とは考えなくなって来るんじゃないかなと思います。
結局「中間管理職」って単なる俗称ですからね。
近年は管理職になりたがらない人が多いと言われていますが、現職(と言っても来月から前職になる)でも課長と平社員との残業代を考慮しない年収差が100万円しかありませんでした。

「これで残業代なくなるなら出世なんざしたないわ」と言うもの。
少なくとも「管理職」と言うなら一般社員との年収差が2倍は欲しいですね。
なので課長は「管理職」なんて呼ばない方が良いです。
「中間責任社員」として位置付け、キチンと残業代を払うようにしないと昇格拒否をする社員は今後も出続けるのではないでしょうか。

最近は「管理職になりたがらないとか勿体ないで」と言うビジネス誌の記事も多く見るようになりましたが、結局は金と時間の問題です。
年収にして100万しか変わらないなら時間を取ったほうが幸福度は確保できるでしょう。
なので「課長を管理職と言うなら一般社員の2倍の基本給は必要」です。
逆に課長の年収を一般社員の2倍にするからと言って一般社員の給与を下げてしまうと離職を招きますから、キチンと課長を魅力あるポジションにしないといけないのです。

それこそ本当に経営者が取り組む改革であって、改めて課長を「管理職」と位置付けるのか「中間責任社員」と位置付けるかを再考していただいた方が良いんじゃないかなと思う次第です。

さて、今日から少しの間、佐久島にセルフ島流しに行ってまいります。
次はその辺の記事を書けたらまた。

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