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「何でSES避けられるの?」と転職エージェントから訊かれて答え辛かった話

現職の解雇が決まって転職エージェントに行くと「SESを紹介してもええですか?」と訊かれて「まぁええですよ」という話をしたところ、エージェントから「何で皆さんSESを避けるんですか?」ということを訊かれました。

いくら「IT業界に強い」と知られるエージェント会社であっても、担当エージェントがIT業界に勤務したことがあるかは別物です。
個人的にはプロジェクト・ベースド・ワーキングの方が肌には合っていますが、とは言えSESが嫌われる理由を訊かれると、ちょいと困惑したものがあります。
まぁ困惑こそしたものの、別に答えられなかったわけではないので答えましたが、改めてSES(客先常駐)と自社勤務の違いについて述べたいと思います。
私はIT業界で客先常駐と自社勤務、両方経験があるので、参考になれば幸いです。

🎡下請け仕事に卑屈さはある

何故SESが敬遠されるのかって言ったら、やっぱり下請け仕事はエンジニアとして自尊心が付きにくい、というのが大きいです。
一応客先には富士通とか伊藤忠とか日立の社員として出向するのですが、実際の身分は派遣会社に居るわけですからね。
それで福利厚生にも差が出てしまいますし、業務改善にしても下請けの意見なんか通り辛いですから、それだったら元請け会社に行くか客先情シスに就職した方が良いでしょって話なんですね。

実際問題、私も西多摩勤務の時は某PCメーカーの下請けで入り、1日の仕事がアークサーブのジョブ確認とメールチェックで終わるという、なんとも退屈・・・いや、気楽な仕事をしてましたけども、コレで客先は元請けに年間1200万円払っています。
「こんなん普通に自分とこの職員でやった方が安いですよ」と客先に言いましたが、本当に「私がおる価値あるんかいな」って気分になりましたね。

コーダーかインフラかで客先のブラック度も変わると思いますが、存外客先常駐は楽です。
ただし、客先のブラック度如何を問わず、下請け仕事にエンジニアとしての自尊心って言うのは形成されにくいですね。
天井が決まってますし、所詮「派遣さん」なので。

🏢自社勤務はマルチタスクが多く人間関係は大変

次に働き方の違いについて述べたいと思いますが、自社勤務は自社勤務で大変な面はあります
それがマルチタスクです。
というのも、自社勤務で働くとエンジニア(開発・保守)の仕事に専念できることが稀なんですね。
例えばデータセンターでは1つの職場で複数の顧客の処理が同時に走ってますし、開発業務をやりながら広報活動をやるとかザラです。

まぁ私は開発側ではないですが、ユーザーサポート業務しながら動画作成してたので、残業は比較的長くなります。

また、毎日同じ顔を見続けることになるので、人間関係は最初の3か月でコケると悲惨です。
社員間で不文律が多かったりしますので、そこにうまく溶け込めるかがカギになります。
その代わり出世したい人にとっては自社以外選択はないと言えるでしょう。

逆に客先常駐は比較的シングルタスクが多く、人間関係に不文律は多くは無いというのが、両方経験して感じたことです。
悲しいかな、発達障害持ちだったりすると案外客先常駐の方が楽な面はあるんですね。
最悪ハズレ現場引いたら変更もできるんで・・・。

ただSESは出世ができません
それと将来性を考えた場合、プライム案件はもとより、コンサル領域に事業を展開できているかどうかも大事です。

こんな感じでSES(客先常駐)と自社勤務には長短があります。
ただ、もしSES行くなら「自社の製品も持ってるSES」にした方が良いでしょうね。
でないとSES行くのにわざわざエージェント使う理由って無いんで…。


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