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何故プログラミング教室が流行ったのか

Youtube広告なんか今でもプログラミング教室やらフリーランスエンジニアならんか系が盛んに出ていますが、一体なんでこんなにエンジニアがもてはやされるようになったんだろうかと、少し疑問を感じています。
ITの世界全体で見れば異業種からの転職はそれなりにいますが、ことエンジニアと呼ばれる職種についてはSES(システムエンジニアリングサービス)と呼ばれる会社に在籍することになります。およそ7割のエンジニアはSESに在籍し、残りの2割が自社開発の会社、1割のフリーランスエンジニアというところでしょうか。

ひとまず企業ベースで見ると、少なくともSIerの9割は客先常駐をやっている会社です。実はWEB系はカウントされてないそうですが、少なくとも実態としてプログラミングスクールを出た大半の人は、客先常駐をすることになるでしょう。
しかし、それでもプログラミングスクールに大金払って夢を見てしまう人は少なくは無いのでしょうね。いった何故なんでしょうね。

💴PGスクールの前はアフィリエイト高額塾商材が盛んだった

個人的にプログラミングスクールについても、ある程度ノウハウとして古くなった商材がIT業界の現実をわかっていない人向けに商業化したものなんじゃないかと思うわけですよ。
いや、プログラミングスクールの中では最新の言語を扱う可能性があるとは思うのですが、しかしして、そもそもテキストプログラミングの将来性も怪しくはなってきてるんですよね。開発ツールが整えば整うほど、テキストからビジュアルにプログラミングが移っていくんです。
例えばRPAの代表的な商材であるWinActorはビジュアルプログラミングでジョブを組みます。既に開発の現場でもビジュアルプログラミングは始まっていると、客先常駐してるエンジニアから耳に挟んでいるので、高額なプログラミングスクール通うより、スクラッチを勉強した方が有意義かもしれません。
実際問題、プログラミングの基本は変数・定数・If文・For文はどの言語でも考え方はあまり変わりません。あとは個々の言語毎の癖が加わるような感じで、それはWinActorだろうが普通にPHP書くのだろうが考え方自体に大差は無いわけです。
ただ、今のプログラミングスクールの隆盛を見ると、かつてアフィリエイト系の情報商材が隆盛を極めた時代を彷彿とさせます。
今みたいにプログラミングスクールの広告が盛んに出る前は、インフォトップであるとか、インフォカートっつう高額塾の怪しい商材が沢山市場に出回っておりました。まぁ通った人の大半は稼げなかったか、一瞬の稼ぎで終わったんじゃないかな。だってアレ、本人以外に再現性が無いから。
今はだいぶ下火になったように思いますが、むしろプログラミングスクールがそこに取って代わっただけな気もしています。

💻「エンジニア」って響きはカッコいいからね

恐らくアフィリエイト系高額塾が下火に向かい、取って代わって流行ることになったエンジニア商法。まぁ今もアフィリエイトの高額塾なんてのはあるにはありますけど、アフィリエイトって言っちゃうと「モノ売り」ですからね。
理想としちゃ「コト売り」になった方が良いんですが、そこに到達できるようになるには一つの業界のことをちゃんとマスターしてかないと無理です。
まぁ「モノ売りになるための高額塾に金注ぐよりは工学に金注いでエンジニアになった方が胸を張れる」って言うのは、やっぱ有ったと思います。
「アフィリエイターじゃ情けないけどエンジニアって響き(と立場)はカッコいい」って感じはするでしょ?
少なくともアフィリエイト高額塾の価値が下がって、エンジニア養成学校が流行るようになったのは、この心理的な側面も影響してはいたんじゃないかなって感じがしますね。

🌴自由な働き方という幻想

一方、アフィリエイト系高額塾とプログラミングスクールにはある種の共通点もあります。
最終的に「自由な働き方が欲しい」と思って入る人がいるってこと。広告でもよく謳われるでしょ?
「フリーランスになって自由な働き方をしませんか?」
とか言ってね。
でも、アフィリエイターにしろエンジニアにしろ自由な働き方を手に入れられるのは一握りです。
特にエンジニアはWEB系エンジニアの方がメディア露出度も高く、カジュアル(自由)な服装で働いてる光景がイメージされやすいかもしれません。
しかし、実際には大半のエンジニアはスーツエンジニアになります。
よく「SESには就職するな!」は言われるんだけど、そうは言っても大半はSESしか選べない転職市場の実態ってのもあります。SESを外すと案件そのものが無いってのがあります。なので、大半はSESに就職するでしょうね。SESに入った後にこう思うわけです。
「今はSESしか選べないけど、技術を習得していつかフリーランスとして自由に働くんだ!」
きっとこう考える新米エンジニアも沢山いるでしょう。でも、下手するとそのままコードも触らせてもらえずに終わるなんてことが有り得るのが、日本のIT産業の悲惨な姿なのでありますね。

💻そもそもITの仕事で大半を占めるのは保守・運用

IT業界に入ったことが無いと、なかなか実感わかないことかもしれませんが、ITの仕事ってのは8割が保守と運用で占めてます。純粋な開発ってのは2割あるかどうか。
試しにスマホゲームの世界を考えてみてください。
確かにアプリを新規で作ってリリースするまでは大量のエンジニア雇ってコードを書いていると思いますが、一旦リリースされれば如何にイベントを回して収益を集め、サービスをアップデートしていくかってことになります。
言ってしまえばサービス運営・サーバー監視・障害対応と言ったことが仕事の殆どを占めているのです。決して花形ではないですが、IT産業ってのは運用・保守と言った非花形職の面々で支えられてます。言ってしまえばITの世界って実は地味なのですよ。
そうは言っても「自由に働きたい」って人がプログラミングに手を出して、幻想が壊されるってのは、これからも暫く続くんでないかと思います。
でも一回考えてみてください。
IT産業は多くが運用・保守のフェーズで占めている。ここを認識しておくかおかないかで、プログラミングスクール商法で痛い目に遭う確率も、変化するのではないでしょうか。

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