見出し画像

名古屋市民は市長選で実に惜しい選択をしたと思うわ

Twitter政治アカウントからはすっかり敵視されるようになったマスメディアですが、それでもメディアの情報には目を通した方が良いというのは言うまでもあません。
個人的に推奨してるメディアは東洋経済とプレジデント、ダイヤモンドの3つですが、やはり日経新聞はコラム数が多いため、参考になる情報は確かに多いです。
まぁ日経新聞は「これだけの金を払うだけで回りと差を付けられるで」と言うだけあっての情報量がありますが、問題はそれをどうアウトプットに活かすかが大事なんですけどね。
ともあれ、日経ビジネスのコラム「敗軍の将は兵を語る」は、しくじり先生のような読み易さがあるので、割と読まれることはオススメします。
読書感想文というほどでもないですが、今回は横井利明氏の名古屋市長選についての話をしてみたいと思います。

🌲人口200万人都市で現市長が圧勝し続ける危うさ

現:河村たかし市長は2009年から名古屋市長を勤め始め、今回の当選で5回当選をした市長となっています。名古屋市民に対して申し訳ない表現をすると、今の名古屋市は河村たかし独裁王国と言っても良いでしょう。
残念ながら、これまでの選挙で河村市長と渡り合えるような候補者が出ておらず、一見民主主義としての手続きこそ踏んでいますが、結果として独裁が許されるような状態となってしまいました。
これが檜原村やら奥多摩町みたいな田舎の自治体なら良いんですよ。まだ。
それを人口200万人を超える3大都市でやってしまうとマズいのです。
人口200万人いる街で現市長の対抗馬が現れない。実際、これまで河村市長は「圧勝」で勝っているのです。こうなると権力と言うのは腐敗します。

🐦ネット世論を掴むのが上手い河村たかし

しかし、考えても見ると河村市長が圧勝し続けたのも、無理はないとも思われます。
というのも、河村市長はネット世論を掴むのが大変上手い。
個人的に見ると「河村たかしの職業はプロレスラーである」と言った方が正しいと考えています。
というのも、現在の河村市長の支持率は単に「現市長である」という優位性だけでなく、大村愛知県知事とのプロレスがあってのものだからです。
要は大村さんが愛知県知事をやってる限り河村氏が名古屋市長を続ける可能性が高いということになる。
トリエンナーレや大村県知事のリコール騒動を見ると、それが顕著にわかります。こうした行動はTwitter民には大変ウケるんですね。
『Twitter政治アカウントを客観的に見る』とわかるのですが、彼らネット政治アカウントの多くが望んでいるのはプロレスであり、宗教戦争です。
確かに表向きは政治の話をしてるように見えるのですが、その実態は宗教の話をしているのがTwitter政治の世界なのです。ここに河村市長の性格がドップリと合いました。
大衆はプロレス(娯楽)を望んでいる。これを河村市長は肌感覚で理解しているため、彼は選挙で強いのです。

🌐自民・立憲・公明・国民民主が手を組むほど異様

「河村たかし市長によって停滞してしまった名古屋市政を何とかしたい」
横井利明氏はその想いがあり、水面下では昨年から色々と動き始めていたようです。
しかし、立てようとした候補者が辞退してしまうなどの不幸があり、直前になって自らが立候補することとなりました。
この時、横井氏を公認したのが自民、立憲、公明、国民民主の4党で、立憲と国民民主は国政に於いては自公と対立しています。
と言っても地方選で自民と立憲が同じ路線を歩むのは別に珍しいことではありません。経済政策に於いて自民と立憲の方向性は概ね同じですから、地方選で共闘するのは極端に珍しい事例ではないです。
ただ、横井氏の支援には日本共産党の人間も加わっていることを明かしています。
つまり国政に於いて対立しあってる政党が名古屋市長選では同じ方向を向いたという点で、河村市政が異常であったかがイメージできるわけです。
やはり名古屋市民でも河村市政からの変化を望む声は多かったのか、選挙は珍しく接戦となりました。
横井氏はネット世論を掴むのは得意ではなかったようですが、もしネットマーケティングを出来るブレーンがいたら、逆転の可能性もあったかもしれません。

📖横井利明氏の目指す名古屋はどんな姿だったのか

河村市長に僅差で敗れた横井氏でしたが、横井氏には「こんな名古屋にしたい」という何かしらの想いはあったようです。
どんなビジョンを描いていたのか。それは本として出される予定のようですが、彼自身が福祉施設などの経営に携わっているため、現場視点を持てるのは強みと言えるでしょう。

ハンガリー赤泥流出事故の都市再生のケースを見ると、やはり都市にはビジョンが必要です。
河村市長にビジョンが無いわけで、本当に都市ビジョンを持てる市長が待ち望まれます。
果たして横井氏はどんな名古屋にしたいというビジョンを持っていたのでしょうか。
横井氏が本を出された時、名古屋市民は是非手に取り、今後の名古屋考えてみるのも良いかもしれません。

ご一読ありがとうございます。お読みいただいた記事がもし無料、あるいは価格以上の価値があると思ったら、フォローならびに、サポートいただけますと幸いです。