もはや私の趣味は東京なのかもしれない
東京が好きだ。明日から、東京に出てきて16年目が始まる。
東京のいいところはまず、人が多い。人が多すぎて、比べられることがない。変わり者扱いされない。
むしろ凡人。凡人過ぎてそれはそれで後に苦しむことになるが、変わり者扱いされていた頃に比べれば全然いい。人が多いって最高。
それから、すごい量の電車が来る。「これのがしたら次1時間半電車ない!」とか思って必死に走らなくてもいい。
電車でちょっとどこかに行くくらいなら時計を見なくてもいい。せかせかしない。予定を立てても立てなくてもいい。東京人はみんなせかせかしてるなんて言説は嘘。
あと、他人に興味がない。あそこの家の子は成績がよかったのに遅刻が多いから推薦がもらえなかったらしいとか、あの夫婦は元々不倫で略奪婚だとか、聞いてもないのにわざわざ教えてくる人がいない。少ない。
ちょっと体調が悪くて保健室に行ったことが、帰ったらすでに親に知られてるなんてこともない。光の速さで意味のない情報共有なんかしない。
加えて、ひと駅移動するだけで全然違う街になる。
いやこれは23区内の、ごく限られた場所だけかもしれん。小田急線は下北沢過ぎたあたりから全部同じ風景だ。京王線に至っては全部同じだ。ありがとう小田急OXとカルディ。成城石井も。
でもなんか、何度でも、未だに、「東京出てきてよかったなぁ」と噛みしめることがある。
ちょっと違うが、好きな服を着れるのも大事。田舎は、目立つ格好をすると本当に目立つ。
そんな恥ずかしい格好で家から出るなとか親に言われない。あの人あんな歳でミニスカート履いて恥ずかしくないのかしらとか呪いをかけてくる人も少ない。
そして何より、東京は孤独なのがいい。一人ぼっちなのがとてもいい。
人との距離が近すぎる場所にいると、周りの人の許可がないと生きていけないような気持ちになる。
東京では、とりあえず「いる」んだから「生きてる」だろって感じ。許可とか別に要らないんだなとわかる。誰から承認されずとも、先にとりあえず私がある感じがする。
小さい頃からずっと居場所がないと感じていたが、とりあえず東京で家を借りて、自分の居場所を自分でつくることができたなという気がしている。(もちろん最初は親の援助あってなのだが。申し訳ねぇ)
自分は東京が好きだから、東京で死にたい。明日からも8cmヒールを履いて東京を謳歌すると思う。
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