見出し画像

240802真夏の夜のパピコ忠敬

夏って、8月入った瞬間終わりに向かうんだよな〜〜〜


週末なのでと深夜までお酒を飲んで。歩いて帰る、その道中。交差点の信号待ちをしている男性と、目が合った。

「アレお姉さん、また会いましたね。すごい偶然」

“また”??????

先月も夜中にここで会ったんですよと言われる。ほら、オレだよオレ。オレオレ。対面で。顔割れてるオレオレ詐欺新しいな。

深夜に声をかけてくる知らない中年男性なんて、アヤシイやつでしかない。無視無視こわいこわい。大通り沿いでも、アカンやつはおる。

……立ち去ろうとしたものの、思い出してしまった。たしかに1ヶ月くらい前。同じお店で飲んだ後、同じ時間、同じ道を歩いて帰るとき、知らない人と喋りながら歩いた記憶がある。声も聞き覚えがある気がしてきた。“また”はウソではないらしい。

いくつか質問する。

こんなところで何をしているのか。家はどこか。仕事は何をしている人か。単刀直入に聞くけどアヤシイ人なのか。

「先月も全く同じ質問してましたよ」

記憶はないのに、考えるプロセスは全く一緒なのかよ。信頼できる、私の脳。覚えてないから意味ないけど。

真っ暗なマンションやシャッターのしまったお店の横を歩く。幹線道路沿いなので車通りはそこそこ。人はいない。

上は首都高の音がする。

聞けば、近くに住んでいてこの時間帯に散歩をしている人らしい。アレですか。最近話題の「伊能忠敬界隈」ってやつですか。

前回は何を話したのか、聞いてみる。

「お姉さん歩いてたらいきなり『アイスごちそうしてあげる』って言い出して」

なにそれ迷惑。

「でパピコ買ってくれたんではんぶんこして」

なんでパピコ?

「『今夜はブギー・バック』歌ってました』

奇行じゃん。初対面の人に見せていい姿なのか?よくなくなくなくなくなくない?断然私の方がアヤシイ中年女性である。よく通報されなかったな。

「前回ごちそうになったので」。今度は男性がパピコを買ってくれるという。コンビニに入って、アイスコーナーへ。男性がコーヒー味を手に取ったので、コーヒー味はそんなに好きじゃないからパピコは白いやつにしてほしいと伝える。買ってもらっておいて文句の多い中年女性が私です。よくないな。よくなくなくなくなくなくセイ イエーッ。

前回はコーヒー味一択だよって言ってましたよなどと指摘されたがもちろん記憶になんかない。

今思えば伊能忠敬界隈って、破茶滅茶に歩いてカロリー消費したい人じゃなかったか。アイスとか食べてていいんか。

パピコを食べ終わり、「またこのへん歩いてたら声かけてください」と言われた。いつも歩いているらしい。

普通に嫌だったので、嫌ですと答えておいた。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?