ロジカルシンキングの利用意義(目的)と定義について

事業を成功させるために、ロジカルシンキングは必要・十分条件なのか?
結論から言えば、必要条件でも十分条件でもない。

何故なら、(それこそロジカルに考えるのであれば)
直感的に思い付きで事業を始めて、成功を収める人がいる以上、
厳密にいうとこのような結論となる。

現に、野性的な勘と行動力をもとに成功した人は枚挙に暇がない。

しかし、組織に属している場合には少し事情が異なる。

組織に属して何か(例えば事業の立ち上げ)を上申する場合
直属の上司、更にそのうえの上司、関係各所の合意をとりつける必要があるからである。
社長であったとしても株主説明が必要な場合が往々にしてある。

「事業を立ち上げたい!理由は何となくいけそうだからです」
ではほぼほぼ合意を得ることができない。
(この説明で合意を得ることができる人は強烈な実績や相当の権力者である)

合意を得ることができない理由は
組織で何かを成すためには各人が各人の範囲で説明責任が伴うからである。

逆に言うと、各人の説明責任が全うできる理屈が通れば合意に至る可能性が高まる。
ということである。

理屈を通すことこそがロジカルシンキングの神髄といっても過言ではない。

1. ロジカルシンキングの目的

合意形成の為、テーマに対しての妥当性が説明できる理屈を作り出すこと


次に、
上記の目的を頭に入れつつロジカルシンキングを定義していこうと思う。

ここで重要なことはロジカルとロジカルシンキングは別物である。ということ。

【ロジカル】
テーマに対して結論が明確で根拠が示されていてつながりに矛盾がない状態

2.ロジカルシンキングの定義

ロジカルであることに加えて、結論の妥当性を様々な側面から検証すること

例1)
・事象 : 上を見上げると灰色がかった空が目に飛び込んできた
・テーマ: 外に出る予定があるが傘を持って出かけるべきか?
・結論 : 傘を持って出かけるのが最善と判断する
・根拠 : 気象庁の情報によるとこの後の降水確率が100%のため

上記はロジカルではあるが、ロジカルシンキングが出来ているかは不明。

例1で記載した内容は、テーマに対して結論があり根拠も明確であり、そこに矛盾がない状態であることは確かである。

では何故、ロジカルシンキングではないと思うか。

端的に言うと、色々な前提や選択肢の検証がなされているかが分からないためである。

例えば・・・

「どこ」
母屋と離れ程度の距離でも“外に出る”ことには変わりがない
 ※そんなのは外に出るうちに入らない!かは人によって異なる

「出かける目的」
 ビジネスなのか遊びなのかによっても変わるかもしれない

「防ぐ方法」
 雨に濡れない手段として傘を選択しているが、
 合羽やタクシーの選択肢も考慮に入れない理由が不明

「そもそも論」
 雨に濡れてもよい!と思っていれば考える必要もないテーマかもしれない

etc...

上記のような疑問が出るうちは「ちゃんと考えてきた?考えが浅い」と言われてしまう。
結果、合意形成に至らずことが進まない。という状況になる。

まとめ

ロジカルシンキングとは・・・

・目的
合意形成の為、テーマに対しての妥当性が説明できる理屈を作り出すこと

・定義
テーマに対して結論が明確で根拠が示されていてつながりに矛盾がない状態
であることに加えて、結論の妥当性を様々な側面から検証すること

上記2点のために、各思考法がどのような役割を果たすかを
今後、記載していく。

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