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化粧箱印字のガイドラインについて自分的覚書

化粧箱印字のガイドライン


化粧品は人の肌に直接触れるものなので、化粧箱や容器1つ製造するにも様々なルールがあります。
化粧箱1つ取っても、記載しなくてはいけない事項が沢山あります。
忘れないよう、自分用メモ的な感じで書いていきたいと思います。

容器に比べて化粧箱のほうが記載しなくてはいけない内容が多いので、今回は化粧箱について覚書。

①商品名

これが無いとはじまらないですよね。
CELLESSENSEの化粧水の場合、セレッセンス セラムアクティベーターが商品名です。


②種類別名称

消費者が製品を選択する際の基準となる名称。
カテゴリーのことです。
基本的に「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」に定められている名称を用いる必要があります。
日本語で、(括弧)、「枠組み」、色替え、太字などで目立たせて表示させないといけません。
CELLESSENSEの化粧箱では<>や□で囲むなどしています。

③ 内容量

gやmLで記載。
たまにmlとリットルを「l」と小文字で表記している製品も見かけますが、数字の「1(イチ)」やローマ字「i(アイ)」と区別をつけるためにも、わたしは大文字の「L」表記にしています。
海外の化粧品やデパコスの多くも大文字の「L」にしています。

今のところは大文字でも小文字でもいいらしいのですが、近い将来世界基準に合わせて大文字の「L」の仕様が義務付けられるとか何とかいう噂を何年も前に聞きました(未だ義務付けはされていませんけど)。

④全成分表示

厚生労働大臣の指定する成分を全て記載します。
記載順序:製品における配合量の多い順に記載。
※1%以下の成分は、順不同可。

この全成分表記が結構厄介で、化粧品の成分って舌を噛みそうな名称が多く記号なんかも混在しているので、校正が大変です。
1つでも抜けていたり間違えたら大変。再印刷や再製造なんて事態になりかねないので、すごく注意しています。

⑤ 販売名

CELLESSENSEの化粧水の場合、「ローションACT」が販売名です。
化粧品には、必ず薬機法に従った「販売名」を決めます。
また、各都道府県の薬務課の承認が必要です。
他社が商標権を有していることが明らかな名称は不可。

化粧品の場合、①の商品名と⑤販売名が別だったり同じだったりするのでややこしいです。
販売名はローマ字のみの販売名は不可。
デザインやブランディング的に商品名と販売名を別にするケースが過去にもありました。

⑥ 製造販売業者の名称及び住所

商品が梱包されている状態で、見えることが条件です。
使用時、外装が無い状態でも記載されている必要があります。
製造販売業者の名称を記載し、住所は、総括製造販売責任者がその業務を行う事務所の所在地を記載します。
問い合わせ先
一般消費者から問い合わせがあった場合、正確且つ速やかに応答できる連絡先を記載します。お客様窓口がある場合、その電話番号またはURLを記載。

⑦原産国名

日本製の場合、国産または日本製でもOK。もちろんMade in Japanでも可。

⑧ リサイクル表記

プラマークとか紙マークとかですね。
プラスチックは容器だったり、色々なパーツなどにも多く使用する事が多くプラマークの横に小さい文字がずらっと並ぶこともあります。


⑨使用方法

これはスペースの関係で詳しく記載したり、最小限の内容だったりします。
メーカーによっても様々です。

⑩ 使用上又は保管上の注意

お肌に異常が生じていないかよく注意して使用してください。お肌に合わないときは、ご使用をおやめください。
とか記載しているアレです。
外箱や貼付文書に表示する注意事項や保管及び取り扱いの注意などテキストがぎっちり。情報量が多いです。

⑪ 製造番号又は製造記号

いわゆるLOT番号です。
大抵製造工場で印字する事が多いのですが、場合によっては、化粧箱やラベルに印刷することもあります。


その他

他にも色々ガイドラインがあります。
例えばオーガニック化粧品など、使用期限があるものには必ず使用期限が表記されています。
医薬品医療機器等法では、製造後3年以内で変質する化粧品を除き、使用期限を表示する必要はないとされています。
なので、大抵の化粧品は記載していません。
弊社の場合は使用期限が無く、⑪ロット番号で製造年月日を管理している為、記載はしていません。
その他にも文字の大きさだったり、(30gまたは、30mL以下は規定なし)ルールが沢山あります。

まとめ

化粧箱1つでもかなり情報量が多く、小さいサイズや細い幅のサイズだったりすると大分苦労します。
CELLESSENSEの化粧箱に関しては、なるべく表に見える部分は情報量を必要最低限にしてシンプルにしています。
その分化粧箱を開けるようにして、化粧箱の中面にコピーなど入れるように工夫しました。

コピー部分や訴求したい文章など入れる場合は、第三者機関での薬事チェックも必要です。
化粧箱や容器は誤字脱字があった場合、再製造する可能性大。
最悪リコールになってしまう事もあるので、入稿時は毎回お腹が痛くなります。
大抵社内数名で校正+製造会社+印刷会社 でトリプルチェックしていますが、何度やっても緊張しますね。

たかが化粧箱。されど化粧箱。
ちいさなスペースの中に様々なルールがあり、色々な情報や工程が詰まっています。
自分がこのような仕事に携わっているせいか、化粧品だけでなく、洋服や雑貨、食品などの包装紙やパッケージなんかも「あぁ、色々な工程が入っているんだなぁ」とついつい見入ってしまうことがあります。

現在も新商品を予定しており、絶賛デザイン中。
デザインしながら、自分への確認という意味でまとめてみました。
新商品については、また別の機会にご紹介できればと思います。


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