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私について(3/10)

遺影を抱えて

会社から霊柩車を見送る中、20代の私は正直不安でした。

死ぬまで会社の事を考えなければいけないのか?

会社に支店がありました。
代表が会社立ち上げの時に知り合った方が意気投合し、一緒に仕事を始めて支店長として頑張っていました。

何度か商談に同席し、お客様第一の考えと誠実な応対に感銘を受けた記憶があります。
また、とてもご家族を大切にされている方でした。

これから会社を大きくしていくぞ!と話していた矢先、体調を崩し入院されました。
話は伏せられ、私には「人手が足りない」との理由で支店にヘルプに向かうようになりました。

支店に出て印象に残っていたのは、整頓された机でした。
(終業までに片付ける習慣が身についたのはこの時でしたね。)
支店では電話と接客メインでしたが、トラブルもなかったので、お客様との関係を丁寧に重ねたんだろうなぁという印象がありました。

ご家族から、ご本人が難病で懸命に戦っていると聞き、私も仕事面で復帰するまでサポートし続けようと決意する最中、訃報が知らされました。

遺品整理をすると、支店長の会社携帯(当時はガラケーでした)からメールの下書きが残っており、家族を頼むと支店を頼むと代表宛に記されてました。

そして前段となります。

以降、会社に尽くす事が「働く」ことなのか。
一先ず支店長の気持ちを背負って頑張ろうと考えました。


次回は結末への伏線です。

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