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担当授業日記 (2020/10/9)

 今年度の6回目の授業を終えました。「担当授業日記」として,感想などを述べていきたいと思います。


今回の授業の内容

 統計学の内容として,正規分布大数の法則中心極限定理などについて解説しました。コンピュータ実習では前回に引き続き,Wordを用いた報告書の書き方を扱いました。

 提出用の練習問題では,無作為抽出不偏性標準誤差などに関する問題を出しました。


研究の目的は母集団か,標本か?

 標本調査における母集団と標本の関係についての問題が出されたとして,その中の「調査の目的は標本の特徴を知ることである」という文は,正しいでしょうか。標本調査というのは,文字だけ見れば「標本の調査」ということになりますが……。

 答えは,誤りです。文中の「標本」の部分が「母集団」となっていれば,正しい文です。研究で知りたいこと(目的)は,あくまでも母集団です。目的となっている母集団は基本的には未知の研究対象なので,標本を測定し,そこから得られた情報をもとに統計的推測を行い,母集団にアプローチしようとするわけです。したがって,調査の目的は標本の特徴を知ることではありません。

 標本調査とは「母集団の一部を対象に行う調査」のことで,標本そのものは手段であって目的ではないと考えるのが適切だといえます。課題の採点をしていて,以上の点が思ったよりも間違いやすいところだということに気づかされました。


 以上,6回目の授業の日記でした。いつものことですが,解答の文字で丁寧な人とそうでない人とで差が大きいと感じていました。公平に採点しているつもりですが,読みにくいものにはどうしても良い印象をもちにくいと思っています。

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