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38歳、MRからIT業界に転職した話

少し前まで”転職するなら35歳まで”と言われていましたが、38歳で転職を実現。年収の折り合いがつかないことはありましたが、年齢がネガティブ要素になることは全くと言っていいほど経験しませんでした。

直近は、製薬会社でMRに従事。でも色々と思うことがあり、結果としては人工知能エンジンを持つIT会社に転職することになりました。

転職活動を通して、自分の市場価値に対する認識をアップデートすることができました。そして志望する会社に転職することができました。良い転職(活動)をすることができたのではないかな・・・と思います。

サラリーマンとして働いていれば、色々不安に思ったり、まだ見ぬことに期待したりと、それらを転職という形で実現してみたいと考えることは少なからずあると思います。

転職することが必ずしも最善の方法とは思いません。
でも目的を持ってチャレンジすることは絶対に大事だと思います。

周りを見ていると、関心はあるけど踏み切れないという人をよく見ます。気持ちはよく分かりますが、不安だからとか面倒臭いからという理由で行動に移さないのは勿体無いと思います。

今回の転職活動について少し振り返りたいと思います。
転職に関して興味はあるけど、なかなか行動に移せないなど・・・そういう人にとって少しでも参考になれば幸いです。

■転職を考え始めたきっかけ

大きなきっかけとなったのは、【製薬会社・MRへの規制強化】【新型コロナウイルスの流行】でした。

製薬業界に精通する人であれば、イメージがつきやすい思います。

ちなみにMRの仕事は医薬品の情報を医師を始めとした医療従事者にその情報を提供することになります。ただその提供の仕方やその内容に対して、強い規制を受けますし、年々強くなっています。最近の極め付けが、”販売情報提供活動ガイドライン”の施行です。

医薬品の説明書である”添付文書”に記載がないことは、基本的に伝えてはいけないということが徹底されました。これが悪いこととは思いませんが、”添付文書”の内容自体は誰でもインターネットで閲覧することが可能です。つまり、あえてMRから情報を得る必要がないわけです。そうなってくると、医師はあえてMRとコンタクトする必要性を感じなくなりますし、そもそもMR側もあえてコンタクトしに行く必要がなくなるわけです。

そしてそのような状況に追い討ちをかけるように”新型コロナウイルスの流行”です。医療機関は外部との接触を避けるため、さらに製薬企業との距離が広がることになりました。

さらに深刻なことに、このような状況にも関わらず多くの製薬企業の医薬品の売上が”増収”であったことです。・・・MR(営業)が働かなくても収益が上がるなんて・・・。

「果たしてこの仕事の必要性はどのくらいあるのだろうか?」ということをさらに強く考えるようになりました。同時にこの仕事から得られる経験を考えた時に、「将来も社会で通用していける人間でいれるのだろうか?」と不安を感じるようになりました。

38歳の時に転職を考え始めたわけですが、社会人歴で考えればほんの16年程度です。70歳まで働くと仮定して、折り返しにすら到達していないわけです。やはりまだまだ新しいことにチャレンジしていく”若手”でありたいと奮起して転職活動を本格的に始めました。

■転職理由

転職活動において、重要なポイントです。
応募した企業からは必ず聞かれます。また嘘はつけないけど、でもネガティブなことは言えず、どちらかというとポジティブなことを言う必要があります。

現職の会社を辞めることは間違いないため、どちらかというとネガティブな要素を多く含む中で、うまく表現するのが難しい部分かもしれません。

そこで当時、私が伝えていたのは以下の内容です。

▷より良いサービスを社会・顧客に提供できる仕事をしたい


上述にもありますが、現在MRが医師(顧客)に伝えられること(提供できること)は非常に限られます。そうなると当然、医師からの質問に回答できないことがほとんどになります。これは知識がないからとかではなく業界のルール上、添付文書に記載がないことは伝えられないためです。つまり顧客のニーズに対して、応えられることが極めて限られるということになります。ちなみにこのルールを逸脱し表に出てしまった場合、それなりの処罰に対する覚悟が必要かもしれません・・・。

だから、より顧客の期待や要望に応える働きをするためには、この仕事ではどうしてもできなかったことになります。営業として働く以上は、相手に対してより良いものを提供したいと考えることは自然なことだと思います。

個人で解決できることもあると思いますが、どうしても変えられない環境や状況はあると思います。そこと転職理由をうまく紐づけると前向きなコメントになりやすいと思います。

▷将来を見据えて経験を積みたい

今日できなくても明日できるようになる。
今日分からなくても明日は理解できるようになる。
これってすごく大切で、結局はこの繰り返しで経験とかスキルが身についていって長く活躍できることにつながっていくのだと思います。ただ前提として、新しいことに取り組み続けるということがポイントになると思います。

一方で、製薬会社・MRへの制限が強い環境の中だと出来ることがすごく限られます。つまり得られる経験も限られるというわけです。当然、新しい経験などほとんどありません。

医師から質問を受けても「添付文書に記載がないことは回答できません」などよくあることです。

少なくとも”新しいことを経験しずらい環境に身を置いていた”ということは間違いなかったと思います。

そのような状況の中で、私の場合は何となく【IT /人工知能(AI) = 最先端】みたいな印象があって、最先端のことに携わっていれば、自ずと将来にも活きてくる経験ができるのはないかと思い選びました。

どのような環境でも最大限の努力をしていても叶わないことはあると思います。そのように思ったときは、やはり環境を理由に転職活動を行っても良いのではないかと思います。

▷経験を活かせる

「より良いものを提供したい」とか「新しい経験をしたい」とか考えることは、それはそれでもちろん大事だと思います。ただそのためにはやはり自分の経験やスキルもそれなりに必要だとも思います。

だから全くの畑違いの環境に転職することはリスクが高いと思います。だから自分の経験やスキルを次の環境でも活かせることは絶対に大事です。

私の場合、AIを扱う企業に転職した形にはなりますが、事業自体は【IT x 医療・製薬】です。ITの部分は未経験ですが、医療・製薬の部分では少なからず経験があります。

歳を重ねた転職ほど、即戦力を期待されることは今の時代も間違いありません。だからこそ自分の経験が活かせることも転職理由の1つとしては欠かせない要素だと思います。

■転職後に思うこと

まず思うのは、転職をして良かったということです。
これまでの経験をしっかりと活かせているし、新しいことを本当に多く経験できています。だから本当に毎日が充実してます。

製薬業界での経験が活かせているということはもちろんあるわけですが、それよりもやっていて良かったな・・・と思うことがありました。以下記載しますが、やっぱり社会人として働く上でプラスαのスキルとして持っていて良かったなと思います。

▷PCスキル(ショートカットキー)
▷パワーポイント
▷エクセル
▷Python(Pandas)
▷PowerAutomate(メール送信など)

これ以外にももちろんありますが、具体的なスキルとしてこれらはやっていて良かったと本当に思いました。IT会社への転職だからというわけではなく、おそらく今の世の中的にこれらのスキルは必須なんだろうと思います。

■まとめ

-転職に年齢は関係ない
-個人ではどうしても変えられないことはある
-転職を通じて新しい経験をすることができる

・・・など、転職活動を通して感じたことを簡単に書いてみました。
何はともかく、転職することが正解とは思いませんが、チャレンジすることは大事だと思います。特に同世代の人たちでなかなか行動に移せないということがあれば、少し勇気を振り絞って行動に移してもらえたら嬉しいなと思います。

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