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孤高の料理人とも呼ばれるミッシェル・ブラスの世界。

コロナ禍前まで北海道ウインザーホテル洞爺にフランス国外の唯一の支店であったフランス内陸部オーブラック地方ライオール村に店を構える「ミシェル・ブラス」の料理をご紹介します。

自然豊かなこの村から生まれた料理は、フランス料理の世界でも非常に高い評価を得ています。その唯一の支店が、この日本の中でも豊かな自然を有する北海道の洞爺湖にありました。

ライオールオリジナルのカトラリーはずっしりと重いです。食べている途中はお皿にフランス語で書かれたメッセージが添えられています。スタッフの方が説明してくれます。

ミシェルブラスはソムリエナイフで有名なライオール村の出身。

ライオール村では、ナイフは一生に一本、質の良いナイフを子どもの頃から手入れを行い、一生使い続けるのだそうです。

そのライオール村でのしきたりとして、「マイナイフ」を持ち、それを生涯大事に使い続けるという伝統があるそうです。

ナイフ1本だけは全ての料理最後まで使い通します

その伝統に従って「ナイフだけは最後まで使って頂けませんか?」とサービスされる方がおっしゃってました。

食べ終わったときに、「ナイフはパンでぬぐってください」と。ファークやスプーンはその都度替えてくれます。

ミッシェル・ブラスでの前菜

ミッシェルブラスのフランス本店にあるオーブラック高原のハーブ「シストル」。ミシェルブラスのシンボルマークがバターにもあります。

【アミューズ】 1品目。コックームイエット。ミシェル・ブラス氏が子供の頃、母親が作ってくれた丁度よい湯で加減の半熟卵を食べるのが素朴な楽しみだったと詳しく書かれたエッセイが渡されます。粋な演出です。

2皿目がセップ茸のタルト、3品目は蝦夷鹿のコンソメのジュレなど一口ずつスプーンに盛られた色鮮やかな前菜です。

北海道グリーンアスパラのロースト、ハーブと卵のヴィネグレット、ゴマ塩、洞爺湖周辺の農家で採れた野菜。

ウド&ホッキ貝のポワレ、ニンニクのコンフィ&ピマンデスプレットで香りをつけて:”アイゴブリドー”のエミュルシオン、クルミオイル。

魚介料理として、ブルゴーニュ産エスカルゴのファルシ。ペティオニオンのポワレ、生ハムオイルとシブレット。春巻き見立ての料理ですが、中にはぎっしりとエスカルゴが入っていました。

メインディッシュの肉料理は知床から来た:鶏の胸肉、ナスとオレンジのピューレ。

そして「アリゴ」という目の前で、チーズとジャガイモをこねて伸ばしたライオール地方の郷土料理。元々はオーブラック地方の修道院が巡礼者にふるまった食べ物というのが始まりとのこと。ジャガイモのピュレと牛乳とバターとニンニクを加えて練り、糸を引くような状態に仕上げたものです。

チーズの盛り合わせ。ミシェル・ブラスの地元であるフランス産チーズが揃えられ、この中から好きなものを好きなだけ取り分けていただけます。

デザートはチョコレートムースとシャーベット。締めにエスプレッソ。

ミッシェルブラスのディナーを堪能し、翌日の朝はシャンパンブレックファーストです。朝からシャンパンなんて贅沢な気分にさせられます。

ミッシェルブラスでは食事だけでも最低3時間かかりますのでゆとりあるスケジュールでご来店されることをお勧めします。実際、私たち夫婦は19時に入店し、24時半までおりました。食事が済んだあとソムリエの方の計らいで「ミッシェルブラス」のワインセラーを見学させていただきました。まるでワインが眠っている冷蔵された倉庫みたいでした。ちなみにディナーの場合、ワイン込みでひとり40,000円程度の予算でした。

印象としては極めて個性的な料理と伺えます。万人受けではなく、玄人向けと言った感じでしょうか。

あいにくザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパでのフランス料理「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」は契約期間満了に伴い2020年4月30日(木)で閉店しましたので、今後はフランスの本店まで出向いて試してみたいと思います。


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