見出し画像

残留農薬をどうやって除去するか?

こんばんは

今日は、野菜や果物の残留農薬をどうやって取り除くのが良いかを調べてみました。

皮むきや加熱(茹でる、炒める)などの食品加工・調理は、残留農薬の削減に有効ですが、栄養価が豊富な皮を含めて丸ごと食べるメリット、ビタミン温存のために生食するメリットも享受したいですよね。

そこで、野菜や果物の残留農薬を、どんな種類の溶液で洗浄するのが良いかを調べてスライドにまとめてみました。

スライド2


除去率は、食品や農薬の種類によって異なりますが、一般家庭では、安価な重曹が良さそうです。(オゾン水や電解水も良いのですが、高価な装置が必要です。)

今、話題のホタテの貝殻を使用した洗浄剤も同じ強アルカリ性なので、有効かとおもいますが、正規の論文はありませんでした。


下のスライドの様に、皮むきをすると殆どの農薬を除去することができます。ただし、ブドウは、いくつかの農薬で除去率が悪く、皮から農薬が浸透しやすいのかも知れません。

スライド3

炒める、茹でるなどの加熱も有効ですね。

以前のブログでもお伝えした様に、残留農薬の影響を心配しなければならないのは、妊婦・授乳婦、赤ちゃんと小さな子供です。

残留農薬を避ける方法として、下記のことが推奨されます。

①残留農薬が多い食品を避ける。 *以前のブログを参照
②無農薬や有機食品を選択する。
③重曹で洗浄する。

皮むきが有効であることから考えると、土壌に散布された農薬が食品に影響する可能性は高くないと思われます。むしろ、それは土壌汚染や河川・海洋汚染の問題につながります。

実は、有機リン系農薬の人への暴露の90%は、肉や魚、乳製品に由来します。この事実を知らない方が多いと思います。当然、これらに含まれる残留農薬は、洗浄できません。


*今回、調べた農薬は、クロルピリホス、ジクロルボス、シペルメトリン、クロロタロニル、フェニトロチオン、DDTなどです。


【参考文献】

Food Control 2007 18 :1484-7
Food Chem. 2018 243:435–41
J. Food Eng. 2013 114:404–11
J. Hazard. Mater. 2012 241–242:287–300
J. Food Sci. 2011 76:C520–C524
日食化誌 1995 2: 97-101
日食化誌 1995 2: 57-63
日食化誌 1995 5: 14-17
Sci. Total. Environ. 2002 286: 119–27
Chemosphere 1998 37: 1657–70