オキシトシン
先月、Nご夫妻に可愛い男の子が誕生しました。
美男美女の赤ちゃんなので、生まれた時からかなりのイケメンくんです。
お写真を拝見しているだけで思わずホッコリしてしまいます。
お写真をみて、22年前、長女が生まれた時の事を思い出しました。当時、僕は秋田県横手市(かまくらで有名)の総合病院に勤務していました。
大晦日、連日救急外来勤務をしている状況で、陣痛が始まったと連絡がきて、急遽、休みをとり元旦朝一の飛行機に乗って、神奈川県座間市の産婦人科医院に急行しました。
人手不足のため翌朝には病院に戻って救急外来の仕事をしていました。不眠不休で疲れていたのですが、なぜかニヤニヤしながら幸せな気持ちで仕事をしていたことを記憶しています。
長女、22年前の元旦に生まれました ↓
僕も若い!! 31歳
21年前、長男が誕生した時も嬉しかったですね。
妻も若い!!
話は長くなってしまいましたが、今日は、オキシトシンに関する論文をご紹介します。
分娩時の子宮収縮作用や母乳分泌作用、母性愛と関連のあるホルモン、『オキシトシン』ですが、男性にも存在するホルモンで、脳の下垂体から分泌されます。
老若男女、誰でも、赤ちゃんと触れ合ったり、見つめあったり、赤ちゃんを抱っこしたりすると、『じんわり優しい気持ち』になりますよね。これもオキシトシンの効果です。別名、『愛情ホルモン・絆を深めるホルモン』と呼ばれている所以です。
オキシトシンには下記の作用が報告されています。
*論文1、*論文2、*論文3
■ストレス緩和作用
■不安緩和作用
■鎮痛作用
■自律神経調節作用
■食欲抑制作用
掘り下げて調べてみると、オキシトシンには、免疫システムを調節するネットワーク構成に欠かせないホルモンである事も報告されています。Wangらは、
オキシトシンが、免疫防御に加えて、自然免疫の過剰反応によるウイルス反応を抑制することを報告しています。*論文4
更にSoumierらは、オキシトシンには、COVID-19:新型コロナのサイトカインストームのような過剰な免疫反応を抑える可能性があるため、治療薬として使用できる可能性を報告しています。*論文5
ちなみにオキシトシンは医薬品として既に発売(経鼻スプレー、注射薬)されています。
また、オキシトシンは、上述した母性愛の他、『他人との繋がり』においても重要なホルモンであり、
◆社交性
◆愛情(他人への思いやり)
◆信頼
との関連も報告されています。*論文6、*論文7、*論文8
上述の『オキシトシンの作用』をわかりやすく、スライドにまとめてみました。
オキシトシンの医薬品はあれど、自然に増やす方法があれば良いですよね。調べると、増やし方を記載した論文もありました。
心地よい五感の刺激、仏教的思想・瞑想、その他、下のスライドのような具体的な行動によって、オキシトシン濃度が高くなる様です。
*論文9、*論文10、*論文11
下記が、瞑想によってオキシトシン濃度が高くなる事を示したグラフです。
*論文12
お気軽にオキシトシンを増やす方法はたくさんあるので、免疫力を高めるためにも取り組んでみましょう!
【参考文献】
*論文1 Z Psychosom Med Psychother 2005 51(1):57-80.
*論文2 Physiol Behav. 2017 Jul 1;176:31-39.
*論文3 Sci Rep2018 8, 2736
*論文4 J Neuroimmunol 2015 15;289:152-61.
*論文5 Med Hypotheses. 2020 140: 109785.
*論文6 J Neuroendocrinol 2008 20(6):858-65.
*論文7 Auton Neurosci 2012 Jul 2;169(1):28-33.
*論文8 Nature 2005 435:673-6.
*論文9 Z Psychosom Med Psychother 2005;51(1):57-80.
*論文10 J Holist Nurs 2005 23(3):287-304.
*論文11 Emotion 2008 8(5):720-4.
*論文12 Int J Neurology Res. 2018 4(1): 364-370