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【S-D】初ずくしの神宮

 カードは負け越し、借金は9つに膨らんでしまったものの、このカードでは中日の若手達の「初」が多く見られたので、今回はそのことについて書いていくこととしよう。

村松開人、満塁弾で初アーチ

 4年間を六大学野球で過ごしたため、この選手は神宮球場を熟知しているのではないか。このノートでも数回取り上げた村松が週間打率4割を記録し、その締めにプロ初本塁打を放った。それも「満塁」という肩書き付き。中日では3人目の大記録である。

 彼はどこかスター性を感じさせるプレーをする。現役時代の立浪和義監督のように、攻守に素晴らしいプレーを当たり前にこなすタイプの選手だ。守備ではまだまだチョンボがあるものの、打撃では既に何年もやっている選手かのような風格が漂っているのだ。心配は本当に膝だけ。故障をしなければ確実に二遊間のレギュラーとなることができる逸材なのではないか。

仲地礼亜、ほろ苦初登板

 華の六大学野球で輝いた村松とは対照的に、ドラフト1位の仲地は地方の沖縄大学で過酷な日程をこなした実力派だ。大学時代、荒波にもまれていただけあって、カード2戦目の初登板では粘りの投球を期待していたものの脇腹がつり無念の降板となってしまった。

 ただ、彼の投じた20球は確実に光るものがあった。この頃流行りのスプリットのような落ちる球と快速球のコンビネーションで、怖いツバメの上位打線からふたつの三振を奪ったのだ。もの応じせず、初登板とは到底思えない投げっぷりの良さがあってこそのこの結果。1目見ただけでわかる、「いい投手」だ。

苦労人・伊藤康祐が走った

 地味ではあるものの、機動力で「初」を記録したのが6年目の伊藤だ。カードの初戦、リードで迎えた8回に盗塁成功。俊足、攻守の期待の若手から、スーパーサブの中堅選手へと「スタート」を切ったかのような、思い切りのいい盗塁であった。

 この選手はまさに不遇としか言いようがない苦労人だ。前任の与田剛監督時代には二軍でいくら打ち続けても、タイプの似た遠藤一星や武田健吾らが重宝され、本当に居場所のないと言った感じであった。しかしながら、立浪監督は彼に代走や守備固めとしての出番を与え続けるのではないか。「村神世代」の6年目、同世代の選手が活躍しているために遅れを取っているような印象はうけるものの、苦労を重ねて実力で掴んだ一軍の舞台で輝いて欲しいものである。

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