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立浪和義監督の親心

 先日、髙橋宏斗の新フォームがいいとの投稿をしたが、立浪監督の指摘により昨季に近いフォームに戻したというが、これは成功しそうである。今回は、そんな中日の若きスターが直面しているフォーム問題について書いていくこととする。

今回のことで驚いたこと

 今回、世間を賑わせた記事を見て驚いたことは野手出身監督が投球フォームに文句を言ったことではなく、立浪監督の「フォーム変更は投手コーチと話しながらやって欲しい」という内容のコメントであった。この事から「髙橋宏は投手コーチに申告をしたり、相談をせずにフォームを変えた」ということになる。

 いくら野球選手は個人事業主と言えど、中10日で大事に起用されている状況で勝手にフォームを変えてしまっては首脳陣も困惑するのは間違いのないことである。先日、彼の山本式新フォームを絶賛する投稿をしたが、独特な投法に順応することに時間がかかっても構わないと首脳陣はじめチームも了承していることが前提にあるのだ。髙橋宏も山本も良かれと思ってやっている事は誰が見ても明らかであり、批判をする訳では無いがこれには少し驚きである。コーチとのコミュニケーションは徹底して欲しいものだ。

選手思いの立浪監督

 今回の事で、改めて立浪監督は選手思いの監督であると再確認した。トレードの敢行や俗に言う「強制送還」があったことで、非情な監督との印象を持たれている方も多いのではないかと思うが、昨季から見ていて思うことは厳しいコメントを出したり指導を積極的にする選手は必ず使う選手思いの監督であるという印象が強い。

 今回の髙橋宏もその一環なのだろう。期待しているからこそ、アイデンティティを喪失して欲しくないという期待の裏返しであのような記事が出てしまったのではないか。昨季は最下位ということもあり、何かと批判されやすい監督ではあるものの今回の髙橋宏や岡林勇希、龍空らを見事に育て上げた。その手腕は確かなものがあるはずだ。

修正版新フォームは…

 それでは、立浪監督の指摘を受けた後の髙橋宏のフォームに主眼を置くこととする。一昨日、WBCの公式球を用いて行われた実践式の練習での登板のフォームを見ると、山本と以前までの髙橋宏のフォームの「いいとこ取り」をしていると感じた。

 前の投稿でも書いた通り、ノーワインドアップモーションを取り入れ、捕手と正対して投げる目標を定めてから目線が全くブレずに投じるフォームは素晴らしい。その中に、今回1度1本足で立つ動作が加わったことによってしっかりと力を貯めてから投げることができているのでこの点は指摘前の新フォームよりも良くなっている。また、腕が1拍遅れてくるフォームにもかかわらず、左足が着地する段階でトップを作る動作はキャンプ初日から継続できているので故障の心配も少ないだろう。以上のことから、修正前のフォームよりも明らかにいいフォームだと断言できる。

 投球の内容ではフォークボールに変わる球種として縦のカーブを会得していた。これは近年流行りのフラフラと浮いてから落ちるスローカーブではなく、前田健太や三浦大輔現横浜監督が現役時代に投げていたような正統派のカーブだ。昔で言うドロップボールにあたるだろう。この球で緩急をつけ、150キロを超える快速球を更に速く見せて欲しいものだ。

最後に

 素晴らしい逸材だけに、首脳陣も潰したくないのだろう。世間一般には批判されるような内容のニュースだったが、個人的には何かホッコリとする、人間味のある中日らしいニュースに感じた。

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