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中日期待の2年目トリオ

 ロッテとの練習試合を先行逃げ切りで辛くもものにした。今回は、そんな3連勝を決めたこの試合を回顧するとしよう。

鵜飼航丞、驚弾で「1発回答」

 左翼と並行して、一塁手のレギュラー奪取を図る鵜飼が昨季0.55という驚異的な防御率を記録した岩下大輝の速球を豪快に引っ張り、左翼席へ放り込んで故障からの復活を印象付けた。昨季の秋季フェニックスリーグでは本塁打王に輝き、一皮剥ける予感の漂う2年目の選手である。

 彼はまさに今春のオープン戦で引退試合が予定されている平田良介氏が若手だった時を彷彿とさせる荒々しい打撃をする。三振も多いがその分長打も多い、中日には足りない選手である。ただ、今季は課題である三振の多さも改善されるのではないかという期待をしている。昨季は投手の方向に身体が向かってしまう「スウェー」と呼ばれる動作がかなり大きかったが、今キャンプを見ていると軸足を回転させるフォームとなっておりそれがほとんど無くなっているのだ。サンフランシスコ・ジャイアンツでMLBの本塁打記録を打ち立てたバリーボンズ氏がまさにこのタイプであり、彼もまた選球眼のいい選手であった。左右の違いはあれど、鵜飼には「和製ボンズ」となってもらいたい。この選手が控えでは勿体ないのだ。

正一塁手ダービー大穴・福元悠真

 古い表現を使うが、「福元がガムシャラか、ガムシャラが福元か」と言った感じのガッツ溢れる選手である。ビシエド、アルモンテ、そして前述の鵜飼と一塁手は激戦区だが、大穴がこの福元である。

 この選手は大学時代、非常に三振の少ないしぶとい打撃がうりであった。好機に滅法強く、メンタルの強い選手としても知られている。昨季は前半戦、二軍で非常にいい働きをしていたものの新型コロナウイルスを患ってしまいその後は調子を落としてしまい悔しいルーキー・イヤーとなってしまった。一塁手としてのレギュラー争いに破れてしまったら、僕は彼を右の代打として起用して欲しいと考えている。前述の通り、好機に強いのでここ一番を決められる選手なのだ。今、中日に於いて最も不足しているポジションを埋められる選手なのだ。必殺仕事人の誕生に期待しようではないか。

担当スカウトとは真逆の石森大誠

 この選手は昨季、相次ぐ怪我で一軍の登板が0に終わってしまった。従って、今季が実質的なルーキー・イヤーとなる選手である。

 この選手はドラフトで非常に印象に残っている選手だ。担当が三瀬幸司スカウトということで、現役時代の彼のような横手投げからの動く球で打者を打ち取るタイプの仕事人なのかなと想像を膨らませていたが、実際はその真逆で150キロに迫る速球で打者を圧倒する高橋聡文氏のようなタイプであった。少し話が脱線したが、今回の登板の出来を見る限りだと彼は救援左腕の救世主になるのかもしれないという期待を抱かせるものであった。アマチュア時代よりも腕が遠回りせず、テークバックが非常にコンパクトになっている。夏の甲子園で対戦した小笠原慎之介にそっくりである。こういったことから、課題の制球力が安定することに期待しようではないか。

最後に

 これだけ若手が活発なキャンプは久しぶりなのではないか。計算はできないが無限の期待を寄せることとしよう。

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