「ベイ中貿易」第2弾は現役ドラフト

 京田陽太と砂田毅樹の電撃トレードの衝撃が冷めやまぬまま、現役ドラフトで細川成也、笠原祥太郎が「実質トレード」のような形で互いの球団に入った。今回は、晴れて中日入りすることとなった細川、そして横浜ファンの方に昨今流行りの「 #プロ野球申し送り事項 」として、笠原の取扱説明書のような事を長々と書いていくこととする。

中日にはいないタイプの細川

 細川という選手にはどこかロマンを感じる。俊足、強肩、打撃でのパンチ力と、練習しても会得できる訳では無い3要素全てに於いてレベルの高い能力が揃っている俗に言うフィジカルエリートの部類に入る選手である。この手の選手は中日には少なく、「今更外野手をとってどうしたいのか」と言う人もいるが他の選手とは少し違ったタイプの選手なので他選手との差別化はしっかりとできている。

 ただ、唯一の弱点は球がバットに当たらないということだ。これは明らかであり、就任1年目で二軍「ワンオペ」を任され既に名伯楽の予感がする中村紀洋コーチの仕事と言えるだろう。ただ、選球眼は悪くないように見える。ボール球の見送り方に球がよく見えている人に特有の自信を持った表情を感じることができ、何度も言うが球にバットを当てられるだけの能力が身につけばナゴヤドームでも本塁打を打てる打者へと成長するのではないか。

そして去る笠原は

 大変に烏滸がましいが、この投手は僕と同じ病気である不整脈と戦いながら現役生活を全うしているのでとても元気を与えてくれる、非常に好きな選手の1人である。ただ、その不整脈を抱えてからはそれ以前の輝きを失ってしまったので今回の移籍を糧にカムバックを遂げて欲しいと切望する。

 彼の1番の持ち味は人をくったようなパームボールだ。高めに抜けたようなし失投がパラシュートを開いたかの如くヒラヒラと落ち、ストライクに決まるこの球は三振を取る上でかなり効果的だ。ただ、笠原という投手が最も輝いた平成30年の投球はその球以外にも速球に球威があった。球速こそ130キロ前半から中盤であったが、振り遅れたような三振を奪うことが多かったのが印象的だ。今季、その球が戻ってきていたように見えたが、同じタイプで10歳ほど若い上田洸太朗が台頭したこともあり1勝止まり。ただ、その1勝は令和元年以来実に3年ぶりの勝利だったこともあり、長いスランプからは抜け出したという印象だ。タナボタではあるものの、このタイミングでの移籍は心機一転ということで、彼にとっていい切り替えになるのではないか。

 ただ、今永昇太、濱口遥大、東克樹ら好左腕が集う横浜で笠原が割って入ることができるかと言うのはみなさんも心配していることのひとつなのではないか。ただ、何度もこのnoteで書いてきた通り、他の投手との差別化ということを考えると横浜には少ない技巧派、軟投派の投手なのでその点はしっかりとできているはずだ。先発が救援かはまだまだ分からないが、笠原がメンバーに入ることで横浜先発投手陣はバリエーションが一気に豊かになることだろう。

最後に

 成績に関わらず、去る選手が出るのは寂しい。ただ、新しく入る細川に期待しようではないか。

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