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藤浪晋太郎が持つ無限の可能性

 先日、阪神の藤浪がMLB移籍に向けたポスティングシステム申請をし、オークランド・アスレチックスで夢の舞台のスタートラインに立つことができた。今回は、そんな油の乗った彼にハイライトを当てることとする。

意外とMLB向きかも?

 藤浪の1番の武器と言えば、やはり160キロに迫る直球だろう。3塁側に踏み込む独特なフォームに加え、この球がシュート回転しながら胸元へとくい込むのだから、打者にとっては脅威と言えるのではないか。

 彼は近年、イップスではないかという疑惑が出るほどに制球力が破綻してしまっていたが、それも今季の後半戦では克服したのではないかと感じる。8月末の中日戦では、ビシエドやレビーラといった外国人選手を完璧に手のひらの上で転がしていたので、そういったタイプの選手に強いのかもしれない。また、先日取り上げた通り現在のMLBは犠打が極端に少ないので、投内連携の課題も過度に心配する必要は無いはずである。

失礼だが…ア軍が「ちょうどいい」

 制球力、投内連携の次に藤浪という投手の課題として言われているのが「メンタル」だ。甲子園とは違い観客が疎らなセ・パ交流戦で結果を残し、インタビューで好投の理由を「静かだったから」といいそれが好珍プレーで面白おかしく伝えられたこともあったが、これは本心なのではないかと感じる。

 藤浪の新天地であるア軍は失礼ながら人気のない球団だ。ビリー・ビーンゼネラルマネージャーの下で、セイバーメトリクスに主眼を置いたチーム造りをして栄冠を手にしたことで日本でも知られているが、そういったものに頼らざるを得なかったのもやはり人気が乏しいが故の厳しい台所事情からなのだ。MLBと言えば、ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースのような人気球団をイメージする方も多いだろうが、落ち着いた性格の藤浪にとってはア軍が「ちょうどいい」のでは無いかと感じる。

意外にも便利屋の才能あり

 全盛期の藤浪のイメージは正統な本格派というイメージだろう。球数がゆうに150球を越えようとも、最後まで投げぬこうという凛々しいスタイルはまさにクラシックなエース像そのままのものであった。ただ、平成27年に肩を故障してから数年の低迷を経て、ここ数年は先発の傍ら救援をするという新しい藤浪にモデルチェンジしているのだ。

 MLBに於いて、このようなタイプの投手は非常に重宝されるのではないか。個人的な希望では、「先発よりの便利屋」と言った感じに収まって欲しい。年間3000球以上を投げた経験もあり、MLBの過密で感覚の短い登板間隔にも対応できるのではないかと感じる。

最後に

 阪神の大リーガーといえば井川慶だが、「セカンドイガワ」になる可能性よりも退路を絶って勝負を挑む男に期待しようではないか。

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