杉谷拳士と江越大賀、齋藤友貴哉

 侍ジャパンの強化試合の振り返りについては、本日の巨人戦が終わってから書こうと思う。今回は、その相手の日ハムについてである。この試合を持ってNPBの舞台を去る杉谷拳士、そしてチームに新しくはいることとなった来季からの新戦力である江越、齋藤について書いていくこととする。

ありがとう杉谷拳士

 この選手は正月恒例のリアル野球盤に出て、「帝京魂!」と叫ぶなど強烈な個性を活かしお笑い番組でも活躍したが、本業の野球でも左右の打席に跨いで2打席連続本塁打を放つなど意外性の塊のような選手であった。今季の成績は打率が2割と満たず、引退は仕方ないとは言えこの選手がいなくなると思うと悲しい。

 おそらく、新庄剛志監督は来季もバイプレイヤーとして杉谷を重宝する考えだったのではないか。「長いオープン戦」と位置づけた今季の中でも、結果が出ない中51試合に起用した事がそれを物語っている。それだけに、最終打席が終わった後の抱擁はまさに惜別の念あっての事だっただろう。僕は野球の試合を見ていて泣くことはほとんどないが、こうした思いがありこの場面には思わずウルっと来てしまったのだ。

 今後は石橋貴明氏のYouTube中のコーナーである「貴ちゃんスポーツ」で評論家をしたら面白いのではないか。引退後の活躍が非常に楽しみだ。

阪神から移籍の2選手はパ・リーグ向き?

 平成4年に旋風を巻き起こした当時、阪神のチームメイトであった新庄監督と岡田彰布新監督の間で行われたトレードだが、これはいいトレードなのではないか。

 まず、齋藤は敗戦処理ではいい活躍をするものの抑えやその前を投げるセットアッパーとなると緊張してしまうからか制球を大きく乱す場面が多く見られる選手だ。この試合もリードを許した場面で登板したものの、159キロを計測した直球を武器に無失点で切り抜けた。牧歌的な雰囲気のあるパ・リーグではのびのびとプレーし、抑え投手としても活躍できるかもしれない。

 また、江越も非常にパ・リーグ向きな選手である。この選手はいい意味でも悪い意味でも訳の分からない打撃をする。明らかなストライクを見逃して三振することもあれば、難しいコースのボール球を曲芸的に打ち返すこともある選手だ。1度何気なく阪神中日戦をテレビ観戦した時に、ちょこんと合わせたような打撃であわや本塁打のようなフェンス直撃の打球を打ったことを鮮明に覚えている。新庄監督の「単打狙いを徹底しろ」という指示はこういった所を見てのことと予想する。2人とも、環境が変わったことで著しく成長することを期待している。

最後に

 この季節になると野球界では毎年出会いと別れの季節となるが、それを目の当たりにしたような試合であった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?