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【YB-G】黒船バウアー、新潟に沈む

 初登板を見事に白星で飾ったバウアーだったが、昨日の登板では7失点の大乱調で来日して初の黒星がついてしまった。今回は、洗礼を受けた舶来のエースにハイライトを当てよう。

マウンドが合わない?

 この日は地方球場の新潟での登板。もちろん、初登板を果たした横浜球場を始め、太平洋側の都府県にある6つのフランチャイズ球場と気候も雰囲気も全く違う場所である。そんな中で、最も彼を苦しめたのは低く柔らかい黒土のマウンドだったのではないか。

 このマウンドの使い方、巨人先発の戸郷翔征は熟知していたのではないか。下半身の力を使い、押し出すようにして低めへと投じていくという黒土のマウンドでの「鉄則」が出来ていたように見えた。対するバウアーはいつも通りの上半身を強く使い、力任せに高め中心に投げていたのだ。恐らく、日本式の野球を学ばないといけないという試合後の彼のコメントはこうしたことについてだろう。「郷に入れば郷に従え」とはよく言ったもので、それが「NPBのバウアー」にとっての伸び代なのだろう。

冴えた名将のカン

 前述の通り、バウアーが本調子でなかったことは確かだが、それだけではサイ・ヤング賞投手を打つことはまず不可能だろう。巨人の最大の勝因は原辰徳監督の采配にあるのではないか。

 まず挙げられるのが内野の陣容を大きく変えた点である。いつもであれば、三塁手に岡本和真を置いているところを、この試合では一塁手で起用した。そして空いた三塁には岡本とは真逆のプレースタイルである俊足好守を持った門脇誠を据えた。これが物の見事に功を奏したのだ。まず岡本が同点の本塁打を放つと、門脇がバウアーのフィールディングに漬け込んだ内野安打で勝ち越し。それぞれの持ち味が活きたと言えるだろう。特に、門脇の勝ち越し打で完全に流れが巨人へと傾いた。前述の通り、サイ・ヤング賞の大投手がたった1本の本塁打、たった1本の内野安打で並の投手のように打ち込まれてしまったのだ。「これだから野球は面白い」というところの真髄を見るような、素晴らしい試合であった。

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