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独断竜回顧【山本拓実篇】

 前回迄の鵜飼航丞、清水達也と同い年で、今季前半に救援投手として活躍しながらも故障に泣いた山本の今季を回顧する。

脱二段モーションで飛躍

 昨季迄の与田剛前監督時代の山本は、清水同様に球威はあるが制球力が安定しないという感じであった。ただ、低めの直球はテレビ中継の画面からも分かるほどにホップし、低身長で尚且つ低い重心からのこの球は非常に魅力のあるものであった。元々、一軍、二軍を合算して150回ほど投げられるスタミナは備わっていたので、本当にあとは制球力だけという感じであった。

 そこで山本は今季、2度足を上げるフォームを封印し高く足を上げて勢いよく投げるフォームへと変更。これがハマったのだ。制球だけでなく、元々140キロ後半だった快速球が最速154キロまで上昇し、球質も綺麗な縦回転となりシュート回転という課題も克服したのだ。

悔やまれる肩痛

 前半戦はまさに順風満帆であったが、7月の頭に肩痛を発症し長期離脱となってしまった。腕を目いっぱいに振る独特なフォームが原因という人も多く、僕もそう思った1人である。

 ただ、山本の魅力がそのフォームなのだ。柔らかい肩関節を存分に使って投げるので、打者もその投げっぷりに圧倒されるのではないか。おまけに、気迫も十分。眼力はまさに先日取り上げた鵜飼のような、侍のそれなのだ。つまり、故障しないフォームにしたら彼の良さが消えてしまう可能性もあるので、故障「しない」よりも「させない」起用法をして欲しい。

 中日には落合英二、浅尾拓也という素晴らい人材がいる。両コーチの共通点は、故障に苦しんだということだ。現に、一軍、二軍共に慎重な投手起用が続いている。山本もぜひ、復帰したら極力連投を避けたり、短い回で降ろすといった配慮をして欲しい。

最後に

 個人的に、もしも来季清水やR.マルティネスがへばったらこの山本に期待するだろう。それだけの実力のある選手だ。

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