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【Bs】不思議の勝ちなし、猛牛軍団が3連覇

 我が中日が80敗に大手をかける惜敗を戦ったその夜、オリックスは3連覇を成し遂げた。報道によると3連覇は1リーグ制だった頃の阪急以来とのことだが、阪急、そしてオリックス・ブルーウェーブと現在のオリックス・バファローズは完全に別物だと僕は考えているので、敢えて初の3連覇という言葉を使っておこう。今回は、そんな猛牛軍団がなぜ強さを維持できるのかということを書いていくこととしよう。

きちんとした後継者あり

 まず、オリックスは指導者を育てることをしていたのだ。令和2年、ロッテを日本一に導いた西村徳史氏が就任したがそうそうに休養となり、二軍監督としてその時を待っていた中嶋聡監督が一軍監督代行へと登用された。これまでの常識から言うと、監督代行というのはそのシーズンが終わると共に新しい監督へとチームを引き継ぐのだが、オリックスはここで我慢をして中嶋監督を正式な監督として続投したのだ。

 実はこの動き、昨季のセ・リーグ覇者であるヤクルトの高津臣吾監督も同じような経緯で監督へと就任した通り、球界で少しトレンドとなりつつある。横浜の三浦大輔監督も二軍監督から一軍コーチ、そして監督へと上り詰めた。おそらく、現在のオリックス二軍監督である田口壮監督と、今オフに中日二軍監督へと就任することがほぼ決まっている井上一樹氏の2人もそのようになっていくことだろう。選手と同じように、監督も育てる時代へと変わっていくのだろう。

圧倒的な選手層

 このようなことを言ってはオリックスのファンに怒られてしまうかもしれないが、オリックスのレギュラー選手の地力はセ・リーグで2年連続最下位をひた走っている中日と大差がないのではないかと感じる。圧倒的な主砲も、センターラインのスター選手もいない。しかしながら、この両軍で最も大差があるのは選手層である。

 中日は岡林勇希がスランプに陥った、石川昂弥が負傷したとなったら、そこで白旗を上げなければならないのだ。現に今季、エースの大野雄大が肘を故障してしまいシーズンを棒に振ってしまうと、大黒柱を失った投手王国は見事なまでに崩壊した。それと対照的にオリックスはというと、誰が怪我をしても、誰がスランプに喘いでも直ぐに代わりが出てくるのだ。例えば、捕手の森友哉が故障をしても彼の打棒を補うだけの守備力を持った若月健矢という有能な人材が代役を務めたり、紅林弘太郎がスランプに喘いでしまっても同じだけ守ることが出来る野口智哉へとスイッチをすることが出来る。杉本裕太郎が二軍に落ちた際には、ベテランのT-岡田が持ち前の経験から代わりを全うした。

 このように、日替わりスタメンで日替わりヒーローを誕生させられることこそが、オリックスの強みである。堅実にレギュラーを固め、一貫した戦術て確かに勝ち星を重ねたセの覇者・阪神とは正反対のチームだ。この対照的な両軍同士の大阪ダービーを期待するが、過度な期待はその他のチームへと失礼になってしまうので、公平にクライマックスシリーズを見ようではないか。

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