見出し画像

【YB】帰ってきた主砲

 フランチャイズ・プレーヤーは愛されるものだ。全国区の巨人を度外視して考えると、「スター」と形容される野球選手達は皆、その土地でアマチュア生活を送り、その土地の球団に鳴り物入りで入ることが多いだろう。ここ最近の選手で例えるならば、名古屋の中京大中京高から中日に入った髙橋宏斗、大阪ガスから阪神に入った近本光司、横浜高校から横浜に入った度会隆輝らがそれにあたるだろう。今回、MLBの荒波にもまれた横浜のフランチャイズ・プレーヤーである筒香嘉智が復帰することになったので、彼への期待を書いていくこととしよう。

MLB仕込みのプレーに期待

 横浜という球団は、もうかれこれ20年以上も優勝から遠ざかっている。伝統的にあまり強くないチームではあるものの、21世紀で1度も優勝していないのだ。このチームはどこか、昔から勝ちよりも独りよがりのプレーが攻守に目立つ。そんな悪しき伝統を筒香に振り払ってもらいたいのだ。

 MLBにはどこか、雑なプレーをする印象を持つ方は多いだろう。しかしながら、それは大味なプレーが多い事の裏返しであり、フォアザチームの姿勢は日本野球を凌駕していると感じる。スモールベースボールだけが勝つための野球ではないというわけだ。走塁ではどう言った判断をしたら次の塁へ進めるか、それとは逆に守備ではどう言った判断をしたら走者を殺せるか。こうした判断はMLBがNPBを凌駕していると感じる。筒香にはぜひ、そういった環境で培ったものを横浜ナインに教え込んで欲しいのだ。こうしたことこそ、NPBの発展に繋がるに違いないだろう。

「ミスターベイスターズ」襲名して

 セ・リーグの各球団には、「ミスター○○」という存在が各球団にあるものだ。1番新しい選手はミスタースワローズ・山田哲人。巨人の長島茂雄氏は別格として、各球団ミスターの系譜があるものだ。

 しかしながら、横浜という球団は「ミスターホエールズ」の松原誠氏で止まっているのだ。ミスターと呼ばれる存在になったであろう選手は、みな他球団へ移籍していってしまったからだ。しかしながら、筒香はミスターベイスターズの資格があるはずだ。全国区の巨人のオファーを蹴って、横浜を選んだ。「やりがい搾取」という言葉が流行している現代社会の冷たい状況とは逆行している筒香の熱い男気を、他球団ながらに応援している。

この記事が参加している募集

スキしてみて

野球が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?