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テック企業の人事トップが語る時代が求める資質

私の好きな『BUSINESS INSIDER』に、また興味深い記事が掲載されていました。Microsoft、Twitter、LinkedIn、Facebook、Netflix、Uberなど、テックビジネスを牽引する企業の人事トップへのインタビューです。

インタビューは簡易的なもので、深い文脈まで読み取れませんが、世界を牽引するテック企業が求める人材の資質を俯瞰できる点で、興味深い情報です。この情報から、これからの時代に求められる人材像を考察してみたいと思います。


テック企業が共通して求める3つの資質

1.学び成長する力

一つ目に、「学び成長する力(変化に適応し、方向転換できる力)」が挙げられます。

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授が、注目の論文『スキルの未来』で挙げた2030年に求められるスキルの第一位は「戦略的学習力」でした。

戦略的学習力とは、新しいことをシステマチックに効率的かつ効果的に学ぶ力と言えます。さらには、自分がこれから学ぶべきテーマを戦略的に選択する力、様々なテーマに好奇心を向けることも含まれるでしょう。

テクノロジーがドラスティックかつスピーディーに変化していくこれからの時代、テクノロジーを核とするビジネスで活躍できるのは学びで自らをアップデートし続けられる人材です。

そしてテクノロジーの影響で変化するのは、もはやテック企業に限りません。あらゆる組織が変化にされされる=あらゆる人が戦略的学習力を求められるということでしょう。

2.周囲の力を引き出す力

二つ目には、「周囲の力を引き出す力」が挙げられます。

チームに貢献する力、チームや周囲の人々をより良くより強くできる人材、他の人々を高める力など、多様な表現がされています。

世界がつながった複雑なシステムになり、ビジネスの課題がより高度になる中で、一人の力で解決できることは限られます。周囲の人と、良い協業関係を築き、優秀な人材の力と意欲を引き出しながら、難課題を解決していける。そんな人材が求められているのでしょう。

さらには、人の話に耳を傾ける力チームメンバーとの難しい対話をする力も挙げられています。

価値観の個別化は、職場にも起こっています。ダイバーシティをプラスの力にするか、マイナスの力にするかはリーダー次第でしょう。異なる意見から逃げず、しっかりと耳を傾けることができ、さらにその違いから自らにない視点を学ぶ資質が重要です。

これからの時代、リーダーにはよりコーチ(支援者)的な関わりと謙虚に受容する力が求めていくのではないでしょうか。

3.自分らしくある

最後の三つ目は、「自分らしくある」です。

ミッションへの情熱、実現させる願望という言葉が使われていました。自らの志に対する素直で真摯な姿勢ともいえるでしょうか。

これからは、問題解決型ではなく、問題設定型の人材が求められると言われます。(個人的には設定した問題はその後は解決するので、''どちらか''ではなく''どちらも''だと思います)。

では、自らの問題設定できる人材とは、どのような人材なのでしょう。それは何かしらの強い問題意識や何かしらの強い願望を持った人です。それが「強い」ものであったときに、問題として設定され、解決するに至る実行までがコミットされるのでしょう。

そして、「強い」問題意識や願望は、外から与えられた「べき」ではなく、内から湧き出る「したい」が原動力なのです。さらに、「自分らしくある」からこそ、「したい」が湧いてくるのです。

皆さんは、自分らしく働いていますか。自分の内から湧いてくる「したい」を原動力に、問題に取り組んでいますか。

まとめ

優秀な人材が集まる大手テック企業。人事トップが見ている風景から、今、時代に求められる人材の資質について考察をしました。

私は、「学び成長する力」「周囲の力を引き出す」「自分らしくある」の3つをピックアップし、文脈を想像で捕捉しましたが、興味をお持ちの方は、ぜひ記事全文をご一読ください。

全て「あたりまえ」だと感じた方もいると思います。私も、そう思います。能力開発や自己研鑽に近道はない、ということだと思います。流行りのスキルを手軽に身につける時代の感覚とは真逆のことを、時代を先導する企業が語っていることに、深い意味があるのでしょう。

本質から逃げずに、自分は何を学ぶべきなのか、どんな能力を開発する必要があるのかを見定める「戦略的学習力」が、今まさに、問われているのだと思います。

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