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自己超越の先に成功がある

フランクルは
「自己超越とは、人間存在がいつでも、自分自身ではないなにものかへ向かっているという基礎的人間学的事実のことである。人間存在はいつでも、自分自身ではないなにかや自分自身ではないだれかへ、つまり実現すべき意味や、出会うべき他の人間存在へ、向かっている」
と解説しています。

自分を越えた存在、つまり、他人や仕事や社会や自然と関わり、それらから求められる事に没頭している時、その人に潜在している真の人間性が発揮され、よりよい心理状態が実現されるのです。

その結果として、自分の望んでいる成功が(スポーツ選手にとっては勝利が、ビジネスマンにとっては仕事の高い成果が、人間にとっては幸福が)実現されてくるのです。

 ここで強調すべきことは、フランクルが「成功とは、自己超越の結果に過ぎない」と考えていたことです。

 フランクルは、自己を中心とした欲求から描かれる成功(お金持ちになりたい、組織で高いポストにつきたい、起業して大成功したい、人から尊敬される成功者になりたい)を追い求めるのではなく、自己超越を心がけ目の前にあるすべき事に没頭するような生き方を推奨しています。

 生きる意味を実現する自己超越の先に、私たちが求める成功があるのです。

 チクセントミハイは、『フロー体験 喜びの現象学』で、フランクルが書いた『意味の探求』(Man’s search for Meaning)から言葉を引用し、その考えに賛同しています。

「成功を目指してはならない──成功はそれを目指し目標にすればするほど、遠ざかる。幸福と同じく、成功は追求できるものではない。それは自分個人より重要な何ものかへの個人の献身の果てに生じた予期しない副産物のように……結果として生じるものだからである」

 名経営者と言われる人々、例えば、松下幸之助や稲盛和夫はリーダーとして「利他の精神」がいかに大切かを説きます。

「まず自分」ではなく、「まず他者」に利をもたらそうとする行いが、巡り巡って自分のところに返ってきて自分に利をもたらします。

「自利利他」という言葉もあります。

それはまさに「自分個人より重要な何ものかへの個人の献身」を諭す言葉であり、「自己超越」という概念に通底する東洋思想だといえます。


参考書籍:『生きがい喪失の悩み』(V・E・フランクル[著]、 講談社)


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