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are we 3ven? - I SEE STARS【歌詞和訳】

——Are we even now?——

Title / are we 3ven?(2023)
Artist / I SEE STARS
Included / Single[Are We 3ven?(2023)],Single [D4MAGE DONE(2023)]


(Are we even?)
(Are we even?)
(Are we even now?)
 
ぼくらって友だちなの?
 ねえ友だちなの?
 まだ友だちなの?

(Are we even?)
(Are we even?)
(Are we even now?)
 
ぼくらって友だちなの?
 ねえ友だちなの?
 まだ友だちなの?

Up to me
 
ぼくのせいなの?
Is it up to me?
 
ぼくがやればいいの?
To untangle you from the floor?
 
きみを床から引きはがすのを

I'm drowning in your shallow creek
 
きみのそばの浅瀬で溺れてるのに
And you just watch me from the shore
 
きみはそこからみてるだけ

A storm coming from the horizon
 
地平線から嵐がやってくる
I saw this coming for a long time
 
ずっとこうなるってわかってた
You always seem to keep things quiet, quiet
 
きみはいつもだまりこくったままみたいだね、だまったままだ

Hollow
 
空っぽだ
I hear my voice echo through you
 
ぼくの声がきみの中で反響してる
You're hollow
 
きみって空っぽだね
Hollow
 
空っぽだ
I hear my voice echo through you
 
なにを言っても通じないんだね
You're hollow, hollow, hollow, hollow
 
きみはどうしようもなく空っぽだよ、空っぽ


Up to me
 
ぼくのせい?
Is it up to me?
 
またぼくのせいにするの?
You dangled the truth while keeping score
 
きみは点数をつけながら、真実とやらを思わせぶりにちらつかせた

I'm falling from ten thousand feet
 
1万フィートから落ちていく
Behind your pain is so much more
 
きみの痛みの背後には、もっと大きなものがあるんだよ

A storm coming from the horizon
 
地平線から嵐がやってくる
I know it's hard to swollen sometimes
 
ときどき思い上がりがきつくなるんだ
You know it when the room goes quiet
 
部屋が静かになったらきみにもわかるよ
So quiet
 
とても静かに

Hollow
 
空っぽだ
I hear my voice echo through you
 
ぼくの声がきみの中で反響してる
You're hollow
 
きみって空っぽだね
Hollow
 
空っぽだ
I hear my voice echo through you
 
何を言っても通じないんだね
You're hollow, hollow, hollow, hollow
 
きみはどうしようもなく空っぽだよ、空っぽ


Do you break like glass?
 
ガラスみたいに壊れたことある?
Are we even now?
 
ぼくらまだ友だちかな?
My world is bleeding, world is bleeding
 
ぼくの世界は血が止まらないんだけど
Are we even now?
 
それでもまだ友だちかな?
Do you break like glass?
 ガラスみたいに壊れたことある?
Are we even now?
 
ぼくらってまだ友だちかな?
My world is bleeding, world is bleeding
 
ぼくの世界は血が止まらないよ
Are we even now?
 
それでもまだ友だちなの?

(Are we even?)
(Are we even?)
(Are we even now?)

 ぼくらって友だち?
 ねえ友だちなの?
 まだ友だちなの?
(Are we even?)
(Are we even?)
(Are we even now?)

 ぼくらって友だち?
 ねえ友だちなの?
 まだ友だちなの?


Are you hollow?
 
きみって空っぽなの?
I hear my voice echo through you
 
ぼくの声がきみの中で反響してる
Are you hollow?
 
きみって空っぽなの?
Hollow
 
空っぽだ
I hear my voice echo through you
 
なにを言っても無駄なんだね
You're hollow, hollow, hollow, hollow
 
きみはどうしようもなく空っぽだね、空っぽ


(Do you break like glass?)
 
ガラスみたいに壊れたことある?
(Are we even now?)
 
まだ友だちでいられると思う?
(The world is bleeding, world is bleeding)
 ぼくの世界は血を流してるのに
(Are we even now?)
 
これでもまだ友だちだって言える?



 
 どうでしょうか? なかなかエグい曲じゃないですか? これほどまでに虚しさを表現しきった曲はなかなかないです。音の作り込みもリッチでサブトラックを贅沢に盛り込んでる。相変わらずの完成度です。
 
 さて、歌詞に関してなんですけど、この曲は『are we 3ven?』、"Are we even?"は直訳すれば「ぼくたちは公平ですか?」。もちろんこれは反語で、「何でこんなに不公平なの?」って意味ですね。

  この曲に関して、ボーカルDevin Oliverはインタビューで次のように述べています。。

 

この『are we 3ven?』という曲は、依存症を持つ人に悩まされた僕自身の経験をよく表しています。その経験は、長年にわたって僕の自尊心を揺るがして、周囲の人たちとの絆を試すことになりました。

  from distortedsound "I See Stars release new music video for ‘are we 3ven?’" by James Weaver/2023/09/11   

 依存症。I SEE STARSには、Devin/Andrew兄弟とアルコール依存症の母との関係を表現した『Murder Mitten』という曲があります。これも、自分の自尊心を踏みにじられる苦痛をうたっていますね。その点、『are we 3ven?』と似ています。似てますが、似て非なるものです。『Murder Mitten』はその苦痛をアグレッシブな演奏とともに思いっきり叫ぶ曲です。それに対して、『are we 3ven?』はその苦痛がもたらす虚無感がひたすら空虚に響く、そんな曲です。相手は他人のことなんか考えてないから、自分はひたすら搾取されて、自分だけが疲労していく。『Murder Mitten』だったら、そこで「ふざけんな!」って叫びます。この曲では、「何を言っても、もうどうしようもないね」って、諦めが感じられます。そんな諦めが"Are we even?"という問いかけになっています。「こんな対等じゃない関係、どう考えてもおかしいと思わない?」。この問いかけもまた、相手に届くことはありません。なかなかエグい曲です。

 で、違和感感じた人用に説明しときます。イーブンってたまにカタカナ語で使ったりしますね。この「公平」とか「対等」とかって意味が日本では一般的な"even"に、おれは「友だち」って訳を採用しました。どっちか迷ったんですけどね。無機質な直訳でいくか、ちょっと冒険して「仲良し」とか「友だち」とかいう訳を使うか。結果後者を選んだわけですが、英断でした。
 この曲はまず友情をうたった曲ではないから、おれはこの「友だち」ということばにいろんな意味を託しました。「友だち」ってあいまいなんですよね。だから、いろんな意味を放り込んで含蓄を持たせられた。さっき言った「対等」とか「公平」だとかいうのも意味するわけです。友だちは対等な関係、そこで交わされるのは公平な約束。で、何よりも皮肉が効いててよくないですか? 「きみ、結局友だちじゃないよね」って。この曲のタイトルは『are we 3ven?』、前述したように「ぼくたちは"even"ですか? いや、違います」。反語になってます。「ねえ、ぼくたちって友だちなのかな? いや、ぜんぜん違うよね」。友だちってことばが何より、生々しい響きになってると思います。結果、この曲の虚無感とか、孤独感、歯痒さをより演出できたんじゃないかと思います。なかなかいい訳し方ができたのでは、と満足しております。
 ただ、この曲、未だにGENIUS Lyrics(←歌詞和訳のチーティングペーパーサイト)で注釈が一つもない。だから、参考になるのがMVしかないわけですが、MVもフラッシュがチカチカしてたり、なんかレーザーが身体に投影される不思議なカットが入ったりしててよくわからん。でも、孤独感とか虚無感を表してるってことは読み取れますね。なんか空虚な感じ。虚ろな感じ。ボーカルのDevinが広い空間でずっと虚空に向かって歌っています。だから、この歌詞のyouとかweに含まれる者は、特定の人間ではなく、不特定多数を指すことがわかります。仮に、不特定多数の人でいっぱいのがやがやしている部屋の中にいて、そこにいる人たちに、「ぼくたち公平ですか?」って問いかけるのと、「ぼくたち友だちですか?」って問いかけるの、どっちがしっくりきますかね。どっちの方が虚しいでしょう? やっぱり後者じゃないかな、とおれは思います!笑 なんか自己弁護してるみたいになっちゃいましたが笑 まあ一つの解釈なのでね。新しい見方として受け取っていただければと。おれはとにかくみなさんの曲への没入感を上げたい、曲の雰囲気を再現したいと思って、それらに尽くしました。少しでも、響いてくださったら嬉しいです。どうもありがとうございました。

 シングル『D4MAGE DONE(2023)』は、最新曲『D4MAGE DONE』以外は2023年にI SEE STARSが出したシングルたちを再収録したものになっています。『are we 3ven』もその一部で、これが2024年中頃の現在時点で、I SEE STARSの最新シングルとなっています。ただこのシングルに収録された4曲、全部とにかく暗い、とにかくネガティブです……。この記事の歌詞をご覧になった方も、ちょっとダウナーキマりそうになったんじゃないかな。おれは訳している間に200回くらいは聴いたんで、テンションおかしかったですね。訳にも表れてる、きっと。

 ただ、I SEE STARSは2023年に新シングル『Anomaly/Drift』をリリースするまで、約7年の時間を要しました。その間、おれは予備校行って大学行って卒業までしてしまって、いつの間にか人生のフェイズが何度も変わってしまっていました。とても長い期間です。彼らはなぜ7年間も沈黙していたのでしょうか。『Treehouse(2016)』というポスコアの域を突破した神アルバムが出てから数年が経過してしまったあと、ぼくの頭の中から彼らのことは抜け落ちてしまっていました。あんなに好きだったのに。まあ、日本だし彼らの情報が入ってこない環境にいたので無理もありません。どうやらアルバムリリース後の約2年はライブツアーには出演していたようですが、その後の活動が本格的だったかといえば、違うと言わざるを得ない。どうして?
 さすがに謎過ぎたんで、ちょっと前にボーカルのDevin OliverのXとかインスタを軽くdigってたんですよ。そしたら、どうやらDevinが病気になってたようで。かなり前に漁ってたので不正確だったらすみません。これに関しては、再びdigり直して次以降の翻訳記事で詳述したいと思います。
 あ、あと数年前(?、これも調べ直しますね)から、KrewellaYasmine Yousafのパートナーになってたのも発見しました。共にEDMシーンの最前線にいたビッグカップルですね。びっくりしました。インスタでは彼らの楽しげなツーショットがたくさん見られますよ。
 で、2020年前後の彼は、「shYbeast」というプロジェクトで楽曲を発表したりコラボしたりして活動していたようです。まったくしらなかった。shYbeastの楽曲はピュアなエレクトロニカで、I SEE STARSからハードコア要素を抜いた感じです。

 めちゃくちゃかっこええやん。もしかしたらいつか訳すことがあるかも。
 ただ、何故I SEE STARSではなくこのプロジェクトを始動させたのか、そこまでは調べきれてません。まあ、I SEE STARS自体もメンバーが脱退したりして、曲調も変わってきましたし、いろんな変遷があります。かつてはエレクトロ全開ハードコア全開で超アグレッシブな曲調で、アルバム『New Demons』では、その特徴が頂点に達していた。次の『Treehouse(2016)
』は、これまでのエネルギッシュな特徴が落ち着いていて、成熟して洗練された曲調。もはやメインストリームに飛び出した素晴らしいアルバムでした。この頃I SEE STARSは確かにポスコアバンドの頂点にいたと思います(おれはね!)。それがなぜ休止してしまったのかは、またdigってみますね
 この最新シングル『D4MAGE DONE(2023)』は収録曲4曲ぜんぶ訳していくつもりなので、この7年間I SEE STARSに何があったのか、digった結果をまとめて順次書いていこうと思います。お楽しみに。
 現在、BAD OMENSDayseekerがポスコアを飛び出して大活躍する中(そしてBMTHがもはやロック界の神のようになっている中)、おれはI SEE STARSの復活を心から喜んでいます。彼らはこの7,8年間の空隙を埋めるための仕事をこれから求められると思います。ですが、彼らがまた現在の音楽シーンに革命を起こしてくれると、おれは確信しています。

 最後まで読んでくれてありがとう。
 翻訳がいいなって思ってくださったり、この記事を楽しんでいただけた方、ぜひ、ハートマークをぽちっとよろしくお願いします🙇
 もちろんコメントも待ってます!みなさんとお話ができるのを待ってます!
 そして、これからも翻訳記事をたくさん書いていくので、ぜひフォローよろしくお願いします!

 ではでは。次の記事で。



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