[事例]読書会を実行して基礎力を高めた話
こんにちは!CCO(チーフ・カルチャー・オフィサー)の竹谷です。
今回は過去に実施した施策の中から読書会についてお話しようと思います。
アンドデジタルが立ち上がり、新しくDX領域でビジネス展開しようとしていたのですが、ほとんどのメンバーが元ネット専業広告代理店です。
故に全社的にDXの知識が不足していました。
そのため、「一気に知識をつけるために読書会を運営してほしい」と代表の伊藤から依頼されました。
どうせやるなら楽しく、全員にとって意味のある会にしようと思い、実行したプロセスと反省点などをお話していきますね。
「読書会をやろうと思っているけど、失敗したくない」
「読書会をオンラインで実施する際にポイントが知りたい」
などと考えている方は必見です!
それでは、早速いってみましょう!
結論:継続化には仕組みと文化醸成が必要
読書会は会社として継続的に開催するつもりでしたが、シーズン2で終了。
当初の目的であった「DXに関する一定水準の知識習得」という面では役割を果たしたと考えています。
ただ
「成長し続けることを自分たちが実行する」
「自分が得た知識や経験を全社へ還元する」
「そういう行動が自分だけでなく、仲間のためになる」
などのミッションや行動指針を体現する活動の一つとして全社に根付かせたかったのですが、そこまでできなかったことに少し残念な気持ちがあります。
原因はいろいろあると思いますが、
・運営が自分主導になりすぎていた
・開催までの流れを仕組み化できてなかった
などがあげられます。いやー本当に反省ですね。
実行プロセスとポイント
それでは、ここから私たちが実行してきたプロセスをお話していきますね!
0.背景
冒頭でも少しお話しましたが、これまでデジタルマーケティングなどの分野で活躍していたメンバーが集まって、新たにDXという領域で戦おうとしていました。
ただ、誰もが十分と言える知識は保有しておらず、感覚的には別の業界へ転職した感じ。そのため、全社的に知識習得が必須となっていました。
もちろん、個々人での学習はしていましたが、共通認識という意味で全員が同じソースから情報を得ることが重要だと考えていました。
そこで、元々研修講師でワークショップなどを多数開催していた私竹谷に代表の伊藤から「みんなの知識を高めるために読書会を企画してほしい」と依頼されました
1.初期設定
まず伊藤から最低限の要件を確認しました。
管理職の参加は必須。メンバーは任意。
開催目的
業務精度の向上
コミュニケーション速度の向上
異業種転職と同意義
上記を踏まえて、一旦開催方法の叩きを私の方で作成しました。
意図としては
できるだけ効率的なインプットとアウトプットができるようにする
得た示唆を見える化することで参加者同士の考えに触れられるようにする
話し合いの場を設けることで新しいシナジーや取り組みを生み出す
となります。
ポイントはインプットをしてくることを前提とした設計にした点です。
当日は自分の示唆を共有する場となり、アウトプットすることでより理解が深まるというイメージでした。
また、様々な部署の方が参加することもあったので、他部署の理解とそこから新しい取り組みへ発展したらいいなと考えていました。
ただ、読んでこない方もいるだろうと思いました。そのため、当日に自分が気になった部分を自由に話してもらうのではなく、読書メモというシートに事前に本文と得た示唆を記載してもらう設計にしました。
こうすることで
1.きちんと読まないと記載ができない
→ 読むことへの強制力が高まる
2.仮に読んでなくても他の人の内容が理解できる
→ 救済措置
という効果が得られます。
またスタンスも重要です。
そのため、ここでも全社会議同様に参加意識を明確にすることにしました。
うんうん、いい感じですね!
伊藤からも合意を得ることができました。
あとは、二人で課題図書の選定を行いました。
目的の「コミュニケーション速度の向上」を果たすために基礎的なことの理解、そして、各分野における代表作を読むことにしました。
また中小ベンチャー企業がDXを実行するに必須な書籍を選定しました。
開催日程は上記にもあるように毎週金曜日の17:03スタートとし、その後は隔週で実施としました。
日程についてはスピード感のある知識習得だったため隔週としましたが、実際にやってみると他にも読むべき本があるので、隔週というのは結構ハードです。
全社的な読書会ということであれば、開催は隔週でもいいですが、参加は月1回ぐらいがちょうどいいと思います。
そして、全社にアナウンスし、読書会がスタートすることになりました。
2.読書会シーズン1の実施と結果
実際にスタートしてみると、意外とみんなきちんと読書メモを記載して参加してくれました笑 またメンバー参加は任意としていましたが、自ら手を挙げて参加してくれました。
実際の雰囲気も共通話題があるため話が盛り上がるし、議論した結果自分で読んだ以上の理解と示唆を得ることができました。
このような知識の拡充という面でのメリットはもちろんよかったですが、それ以上にメンバーと管理職が交わる場を設けられたのも収穫でした!
普段なかなか話せない管理職と会話をすることでメンバーの刺激になったようです。
全9回を無事に終え、シーズン1は終了しました!
うん、めでたしめでたし~
3.シーズン2の設計
読書会を無事に終えてホッとしたのもつかの間。
次の開催について考えてほしいとまた依頼され、実施することになりました。基本的には前回のものを踏襲する形でいこうとしました。
前回は基礎力を高めるということでした。その知識が得られているという前提で、今回は「他部署の理解を深める」という部分に重きをおいた課題図書の設定を行うことにしました。
そのため、今度は伊藤と二人で選定するのではなく、SVPから自らの分野における基礎書籍や最近読了して良かった書籍を課題図書としました。
さらに、今回は参加についても上長から推薦枠を作り、誰がどこに参加するのが有益なのかを明示するようにしました。さらに参加者を増やすというのが狙いでした。
4.読書会シーズン2の実施と結果
シーズン2は前回に比べて効果がさらに高まったと評価しています。
より多くの人が集まり、1冊の書籍をより深く理解できました。
他部署同士や経営とメンバーの交流などが盛んに行われました。
新しい取り組みとしてアクションを決めるというものを付け加えました。
これは読んだ書籍から学んだだけではなく、実際に企業へ取り入れられるものはないかを考え、それの実行オーナーまで決めるというものでした。
これを実行したことで、他の施策がどんどん動いて行きました。
このように、意図した部分はうまく反映できたと考えています。
そして、2シーズン実施したことで見えた問題もありました。
課題図書の専門化が進んだことにより、読むのにパワーがかかる
→ 結果として2週間では読み切ることが難しいケースが増えた
読むことが目的になってしまい、本質からずれる上記に伴い参加率の悪い会が増えた
→ 人が集まることによる相乗効果が大きいので人数が少ないのは問題課題図書の鮮度が落ちた
→ 「最近読了」が数ヶ月前のものになってしまい、品質に問題が発生
「今読む必要があるか?」という根本的な問題が発生推薦枠とすることによる書籍代の負担
→ 会社が主催とするとその書籍代の負担が必要となる
今見れば確かにそうなるよねということばかりですが、実際にやってみたから体感できたことでした。
ちなみに4の書籍代については、まず実費購入してもらい、読書メモを更新した方が経費申請が可能となる形にしました。
読んで習得してもらうことが目的なので、そこをセットにしました。
ということで、上記を解決してシーズン3は実行したいと考えています。
5.解決策案と今後
冒頭でお伝えした通り、現在読書会の定期開催は行ってません。
実行するなら勝手に開催される仕組みが必要だと考えています。
そこで現在私が考えているものを最後にシェアします。
非常にシンプルな設計です。
上記のような形で各自が小さく開催する感じにすれば運用の必要もありません。また選書の必要もなく、そのとき必要なものが対象になります。
ただ、これを実行するには単純にSlackにチャンネルを作ればよいというものではありません。
投稿する習慣と集まって話すという習慣を構築する必要があります。
これは会社の雰囲気や普段のSlackの使い方などが影響してきます。
なかなか活性化しない場合は自分の得た知識をシェアすることは双方にメリットがあるため、それに対して簡単なインセンティブを設定し、開催を促すという方法もあるかもしれません。
いずれにせよ、このチャンネルの活性化が次の課題となります。
その対策を考えてから実行するのがよいと思います。
現在アンドデジタルでは実施していません。
しかし、勤勉なメンバーが非常に多いため、知識のシェアというのは相性がいいと考えています。
近いうち実行してみてもよいと考えていますし、まずはチームぐらいの小さい単位からスタートし検証するのがいいかなと思っています。
今回は過去に実施してきた読書会についてお話いたしました。
最終的に個々人で実施するという結論になりましたが、全社的に実施したいことももちろんあると思うので、その場合は期間を短くし、目的に完全フィットする選書にするとうまくいきます。
読書会から派生して実行した施策もたくさんあるので、それらについてもまたお話していきますね!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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