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【自由詩】逃げる夢〜シロクマ文芸部〜

逃げる夢と追われる夢は違う
目覚めた時の疲労感が私的には
逃げるには常に勝機が感じられ
追われるには絶望感がつきまとう
自ら望んで持ち込むものと
どうしようもなく突きつけられるもの
その違いは明白だ
灼けた銀色の弾丸も
鋭いナイフの切っ先も
私の行く手を阻めない
スピード感が売りのよく出来たシナリオ
そんな娯楽性はまさに夢の醍醐味
ヒリヒリしながらニヤリだ
けれど突如出現した快楽殺人者とか
不幸の連鎖的粘着質な怨念とか
それから怪異なんてものは
まだ見えてもいないのに
遠くからやってくる存在感だけで
冷や汗が出そうになる
そんな負の物体は手に負えない
バクバクしすぎてバタリだ
こんな時には強制終了
どういう仕組みかわからないが
ガバリと起き上がり
安堵の息を吐くというわけだ
追われる夢は逃げる夢ではない
逃げきれない夢だ
と被食者視点から色々解説してみたが
最後にはっきり言っておこう
どちらも趣味ではない
私は追いかけたい派
けれど残念なことに未だ
情熱的に追う夢を見たことはない


今週は夢。
先に投稿した20字も夢の話。
しかし今朝見た夢は思い出せない。
それでも今回は最速で仕上がりました。
夢、偉大なり。


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