【詩】青い果実は赤を探して&つらつらあれこれ話してみたくて
午後二時の列車で海へ向かった
とうの昔に忘れられた約束
夏が去った浜辺では
風だけが叫んでいた
波打ち際をさまよい歩く
赤いドレスを着た女のことなど
海は意にも介さず
恋人たちの残した戯言を
ただ繰り返す
あの日あなたが言った
きみには白の方が似合うのに
白を着たきみと歩きたかった
互いの心など知らぬまま
独りよがりの思いをぶつけ合って
やがて打ち上げられた関係は
乾いた骨を晒して息絶えた
愛と呼んでいいのかどうか
それさえもわからないまま
あれだけ重ねた言葉もみんな