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「違うよ涙腺、そうじゃない」 犬派の私を揺るがす奈良市役所LINE、その後を聞いてくれ

最後まで報告したいなと思ったので、noteに残します。嬉しいことが次々に起きたので、そのいきおいで書いています。

まずはこの、一見なんでもない写真を見てください。

実はヤバいものが写り込んでる、とかじゃなくて。私にとっては、だいぶと涙腺を潤してくる写真でして。

話は、数日前に遡ります。

9月25日。こんな投稿をした。

埋め込みだと、文章が途中で切れると思うので転載(誤字は修正済)。

犬派の私を揺るがす、奈良市役所の公式LINE。たまに送られてくる保護猫譲渡会のお知らせがかなり良く、うちは飼えないが、この通知をとても楽しみにしている。

例えば、まず猫達のネーミングセンスが良い(画像1)。そして前のお知らせ一覧にいた猫がいなくなっていると「いい家族みつかったかな」と想像して嬉しい(画像2:私の推しだった「ワンツー」は家族が見つかったぽい)。まだ家族がみつかってない猫達においては「大きくなってるウウウ」となり母性が爆発する(画像3、4)。

画像も貼る。
左上から、画像1、2。下いって3、4。

たくさんの反応があり、それだけでも嬉しいんだけど、翌日の9月26日。奈良市役所の方から、連絡が。

市役所で働いてる方から連絡があった! まず、この投稿にいいねやRTをしてくださった、生き物を愛する皆さんのおかげで、この猫達のことを伝える奈良市役所のLINE登録が、昨夕〜今朝までの間に2000人以上増えたらしい! すごい!うれしい!!

それから、メディアの方から市役所への取材依頼も。奈良市は、ふるさと納税で保護された生き物を応援できること。こういったLINEの工夫や譲渡会などの保護活動に協力するまちの人達がたくさんいること。結果、ここ数年ずっと奈良市は殺処分ゼロということ。たくさん広まるといいな。他のまちにも、いっぱいまねしてほしい。

さらに翌日、9月27日。
奈良の山が、動いた。

えー。先程もう一度、市役所の方から連絡がありまして。「しまださん、奈良の山が動いています」と。いやどういうことやねんと聞くと、

①まず、奈良市役所公式LINEの登録が1.5万人増えたそうで(昨朝は2000人だった)「全国の猫さんと犬さんを愛する方々のおかげです(原文ママ)」

②そして、登録数が増えたことはもちろん、こうして生き物を大切にする気持ちや、この取組み方が他地域に広がる希望も生まれたことが、本当に嬉しい、と。

③さらに、なんと。市役所に取材依頼が来た結果、明日の「スーパーJチャンネル」というテレビ番組に、取組みが広がったキッカケでもある、猫達にユニークな名前をつけているご本人様が出るそうです!ウアアアア!!!(喜びの声です)

④んで最後には、「あの…諸説アリですが…奈良時代に唐から輸入される経典などの書物をネズミから守るために中国から持ち込まれたのが日本猫の始まりで…」と言い残していかれました。

……という、この一連の流れ。タイムラインで見かけた方もいるかもなんですが、ここからもっと増え、たった4日で、プラス2万人超になったそうで(いつもは1日に10人、多くても20人らしい)。

※追記:誰かがまとめてくれたTogetterがわかりやすい…ので貼ります

そして。
ここで落ち着くと思いきや、お話は現場へと続き。「いよいよツイートじゃ収まりきらん!」となったため、以降ご報告する次第でございます。


9月28日。
最初の投稿から3日後。私は、いくつかの問合せにお返事を書いていた。投稿に関する取材依頼。市役所の方にも報告をして、やり取りしていた。


9月29日。
メディアのみなさん、猫たちの名付け親である、奈良市保健所の「江端さん」という方にもお話を聞き、素敵な記事が公開された。

せっかくなので、一部貼る。読売新聞さんの記事、Lマガさんの記事、J-CASTさんの記事、他。それから下は、テレビ朝日さんの放送。「名前をつけることは、スタート。大切にするスタート」という江端さんの言葉が、とても好き。

江端さんが、名付けで一度だけ後悔した話が載っている、まいどなニュースさんの記事も、心に残った。


で、日が変わって9月30日。


私は、家から車で10分のところにある、保護猫たちの譲渡会会場に向かっていた。さすがに顔合わせて、ごあいさつしたいな、と。

すると、開始前よりすでに人だかりがあり、まもなく長蛇の列に。(これ、写真に写り切ってないんだけど、折り返してもう1本列があって、さらに中にも列があるんよ)

市役所の方に「いつもより多いですか?」と聞いてみる。

「もう、ぜんっぜん違います! SNSのこともあったので、増えるかな〜とは予想してスタッフは増員したんですが、想像以上で。びっくりしてます!」

「てんやわんやですね」と言ってみた

案内の仕方も急遽変えて、一度に入る人数を区切り、時間制にしたみたい。

私も、混ぜてもらった。
会場入口、最初にいたのは「なかなか落ち着かないので」ということで名付けたらしい「てんや」と「わんや」……なんだが、

寝とる。てんやわんやしてへん。
「てんやわんやしてないね〜」
「あはは、ほんとやねえ」
後ろの人たちも同じツッコミしてる。

お休み中すみません。

歩いていくと「ハチャ」と「メチャ」もいた。「クチャ」もいた。(が、熱心に見てはるご家族がいたので、撮らずでした)

こちらは「ボク(墨)」と「マッキー」。黒にちなんでるのかな。

猫たち、私にはあんまりこっち向いてくれん。犬派だってバレてんのかな。や、こんなにたくさんの人が来てくれて、普段と全然違う環境で、あなたたちもびっくりしてるよね。

順番に見ていくと、すでに「決まりました」のタグがついている猫もたくさん。時計を見ると、まだ30分経ってない。すごい。

あまりお邪魔になってもいけないので、良きところで外へ。すると、掲示板にも猫たち、いっぱいいた。ちいさいねこ。

この模造紙は、市役所のみなさんと共に猫を守る、ボランティアさんによるもの。保護時の様子、普段の様子などをレポートしてるっぽい。写真や書かれたコメント一つひとつに、愛を感じる。

ひあー、ちっちゃ…! 例え方がいいかわからんけど「199g」とか「204g」って、缶コーヒー1つの重さだよ。ちいさいねこ……ねこちいさい……ミルクがんばって飲んでいる……

隣に貼られているのは、ちょっと大きくなった猫。

あー! こっちは保護猫を迎えた人たちからだ。

「里親さんには必ず、おたよりをいただくことになってます」

なるほど、よい仕組み……その後も大切にされている様子を知れるし、お迎えを検討している人は、これを見て気持ちの具合が深まるだろうな。

「文字がいっぱいで、こちらも愛を感じますね」と市役所の人に話すと、「いっぱい書いてもらう、っていうルールがあるわけじゃないんです。もっと簡単なものでも大丈夫なんです。でも、たくさん書いて送ってくださる方も多くって」とのこと。


写真展もあった。保護猫の預かりボランティアをしているCOPORIさんによる、保護猫の成長記録。(インスタでも見れるよ)

COPORIさんも保護猫を迎えていて、「パンダ」っていう名前なんだって。いいねパンダ。(下に貼らせていただいた投稿には、この9月30日の様子も書いてはったよ)


帰り際、奈良市役所の方と少しお話をした。

「僕たちが日頃どんなことを大切にして、どんな風に情報を届けていけばいいのか。今回、しまださんのツイートや、反応をくださった方々の言葉を読んで、改めて考えることができました」

目がきらきら光っている、とても嬉しい。

「こうして今日、いろんなきっかけが生まれているのも、SNSで拡げてくださったみなさんのおかげで。LINE登録してくれた人たちにもお礼を言おう!ってなって、昨日投稿しました」

うんうん、私のLINEにも届きました。

主語の大きなところが何かを発信するときって、何日も、時には何週間もチェック期間が設けられること、多いはず。人を介せば介すほど、言葉がどんどん平均的になったりする。もちろんその視点も大切だけど、その中で、温度まで削がれてしまうこと、よくある。

命をつなぎ続ける、奈良市保健所やボランティアのみなさん。そして、一番近くで寄り添う人の温度を伝え続ける、奈良市広報課のみなさん。私は素敵な人がいるまちで、生きているんだな、と思った。


市役所のみなさんとさよならして、スマホを見ると、家にたまに遊びに来てくれる学生から連絡が。「SNS見たよ〜!」という言葉とともに、こんな内容が書かれてた。

「実は私のお父さん、昔、奈良市の保健所にいたの。もう退職してるんだけど、今回のこと、すっっっごい嬉しそうで。にこにこしながら『ツイートたち、僕にも見せて』って。SNSでも話題になったけど、いち、奈良のまちの、定年過ぎたおじちゃんが救われていることも、伝えさせてね」


会場を出て、駐車場に向かう。見ると、どんどん、どんどん、車が入っていく。車から降りた人たちは、みんなビルに向かっていく。

腕を組んだ2人組の女性。私の父や母くらいのご夫婦。子ども連れのご家族。小学生くらいの男の子がスキップで横切る。みんな、今から、新しい家族を見つけにいくんだな。そう思うと。

ただ、本日10月3日時点、駐車場から人が出てくること自体が、涙の引き金になってるっぽくて、ちょっと困ってる。違うよ涙腺、そうじゃない。さすがに飛躍がすごいから。

でも、それくらい心が震えたことだったんだな、と思って。noteしばらく更新してなかったけど、私も見ならって、自分の温度を伝えよう、と思って。「その後こうなったよ!」を、こうしてここに、書くことにした。


今回拡げてくださったみなさんのおかげで、奈良のまちに、たくさんの新しい家族が生まれました。

猫たち、そして人間たちも、みんな末永くしあわせに。


▼猫たちや犬たちをお迎えしたい方へ

今回は保護猫たちの話ばっかりしてしまいましたが、保護犬たちもいます。そして、奈良市の保護猫・保護犬たちは、市外・県外の方も家族になることができます。

予約制で、平日は毎日、相談を受け付けてるみたい。(手続きについてはこちら) 家族を選んで、そのまま彼らが生まれた奈良のまちをめぐって、後日お迎えに……というのも素敵だね。

問合せは、奈良市保健所  保健衛生課まで。
電話:0742-93-8395(かけ間違いご注意〜)
メール:doubutu@city.nara.lg.jp
X(旧Twitter):https://twitter.com/nara_c_eisei



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