メルマガ第47号(2019年7月28日) 中露による合同空中哨戒に関する基礎資料と考察
存在感を増す「軍事大国ロシア」を軍事アナリスト小泉悠とともに読み解くメールマガジンをお届けします。
定期購読はこちらからどうぞ。
【インサイト】中露による合同空中哨戒に関する基礎資料と考察
今回は久しぶりに質問箱のコーナーをやろうかと思っていたのですが、重大なニュースが相次いだのでそれどころではなくなってしまいました。
7月23日に北朝鮮が弾道ミサイル搭載用と見られる新型潜水艦(必ずしも新造ではないようですが)の一部写真を公開したかと思うと、同時に中露の爆撃機が合同空中哨戒を実施。この際、爆撃機に随伴してきたA-50空中早期警戒管制機が竹島の領空(日韓どちらも自国領空と主張しているのでややこしい)を侵犯して韓国戦闘機が警告射撃を行うという事態に至りました。
さらに翌23日には北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射し、どうもこれが予想より長射程な上に大気圏内で機動したのではないかということで大騒ぎになっています。
こうした中で中露による爆撃機の合同飛行はいまいち忘れられがちなのですが、中長期的に見れば大きなインパクトを孕んでいるのはこちらの方でしょう。というわけで、今回は本件に関する基礎的な資料を紹介しつつ、現時点での小泉の見方を述べてみたいと思います。
ここから先は
2,839字
¥ 200
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?