マガジンのカバー画像

メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

270
メールマガジン「小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略」の中から興味のある記事だけお手軽にどうぞ。毎週一回更新。定期購読はこちらから https://www.mag2.com/m/… もっと読む
運営しているクリエイター

#NATO

第244号(2023年11月20日)ウクライナのNATO加盟をめぐる議論

【今週のニュース】依然見えないノルドストリーム爆破事件の真犯人 ほか885型SSNの建造数増加(と新たな改良型の登場?)  ロシア海軍は885型(ヤーセン級)攻撃型原潜を新たに3隻起工して最終的に12隻を調達し、北方艦隊と太平洋艦隊にそれぞれ6隻ずつ配備する計画である。11月19日、TASS通信が海軍に近い筋の談話として伝えた。  現在までにロシア海軍は885型を1隻と改良型の885M型を2隻配備している。現時点ではさらに6隻が建造中ないし就役に向けた公試中であるから、合

有料
300

第204号(2022年12月26日) 国防省拡大幹部評議会で示されたロシア軍大増強の方針

【レビュー】国防省拡大幹部評議会で示されたロシア軍大増強の方針 2022年12月21日、モスクワの国家防衛司令センター(NTsUO)において、毎年恒例の国防省拡大幹部評議会が実施されました。  最高司令官である大統領出席の下、国防相が1年間の総括と来年に向けた大方針を示す重要な会議です。今年は戦時下での開催であり、しかも西側との関係が極度に悪化する中でもあったので、その動向が注目されていましたが、果たして重要な論点が出てきました。そこで2022年最後の今回は、ショイグ国防相が

有料
300

第183号(2022年7月4日)NATO新戦略概念とロシア側の反応

【今週のニュース】ウクライナ東部情勢とウズベキスタン西部の騒乱セヴェロドネツクに続きリシチャンスクも陥落  既に広く報じられている通り、ウクライナのセヴェロドネツク市がロシア軍によって完全制圧されたのに続き、その西側にあるリシチャンスク市も激しい攻防の末に陥落した模様である。ただ、リシチャンスクはやや高台にあってセヴェロドネツク側から攻略するのは難しく、攻略したのは南方から伸びてきた別の攻撃軸であったようだ。これを受けてロシアのショイグ国防相は7月3日、ルハンシク州を完全に

有料
300

第170号(2022年3月28日) 苦戦続くロシア、粘るウクライナ、踏み込めない西側

【NEW CLIPS】ロシア海軍の揚陸艦が爆発 3月24日、アゾフ海のベルジャンスク港に入港していたロシア海軍の揚陸艦が爆発炎上する様子が撮影された。  ウクライナ軍はこの数日前からベルジャンスク港をトーチカ-U戦術弾道ミサイルで攻撃していたが、今回の爆発が同じくトーチカ-Uによるものであるかどうかは明らかでない(事故説もあるい)。なお、この攻撃を受けたのは1171型揚陸艦であったとみられ、のちに沈没した。  このほかには775型揚陸艦2隻が損害を受けたとされる。 【今週

有料
300

第162号(2022年1月31日) OSINT新時代 力の論理とわたしたち ほか

【今週のニュース】輸血体制の拡充と集団埋葬規格の改定が意味するもの ほかロシア軍がウクライナ国境付近に輸血用血液を供給? 『ロイター』2022年1月29日   3人の米国当局者の発言としてロイター通信が報じたところによると、ロシア軍はウクライナ国境付近で緊急輸血用血液の供給体制を拡大している。  ロシア軍は戦闘部隊に加えて工兵部隊や補給部隊をウクライナ周辺に集結させており、これが単なるブラフではない可能性を示唆するものとされてきたが、輸血用血液を含む医療体制の整備は懸念を

有料
300

第160号(2022年1月17日) 西側との対話決裂 考えられるオプション ほか

【インサイト】西側との対話決裂 考えられるオプションあけましておめでとうございます、というにはもう年が明けてからだいぶ時間が経ってしまいました。  とはいえ、まだ新年に入ってから2週間少しだというのに、今年ももう随分と盛り沢山な感じです。  カザフスタンにおける突如の騒擾発生とこれに対する集団安全保障条約機構(CSTO)による平和維持部隊の派遣、そしてこの間に起きたトカエフ大統領によるナザルバエフ元大統領排除の動き(と思われるもの)はその第一に数えられるでしょう。第二に、北朝

有料
300

第158号(2021年12月20日) NATO不拡大に関するロシア提案 戦略ロケット軍記念日 ほか

【NEW CLIPS】ロシア戦略任務ロケット部隊創立62周年記念クリップロシア国防省、2021年12月17日 【レビュー】カラカエフ戦略任務ロケット部隊司令官インタビュー12月17日、ロシア軍の独立兵科である戦略任務ロケット部隊(RVSN)は創立62周年を迎えました。毎年、この種の軍種・兵科の創立記念日には司令官のインタビューが軍の機関紙『赤い星』に掲載され、RVSNも例外ではないのですが、今年のカラカエフRVSN司令官の発言には興味深い点がいくつか含まれているので、その要

有料
300