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GLOBE・GLOVE(2)


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 元々女の子的な遊びに興味がない美緒は、泥団子の一件以来、僕と僕の友達、つまり男の子のグループに混じって遊ぶようになった。
 同じ小学校に上がってからもそれは続き、休み時間はいつも僕たち男の子と外遊びをしていた。
 美緒は、その愛想無しとも相まって女の子から人気がなかったが、かといって男子の仲間にすんなり受け入れられているかといえば、あながちそうとも言えなかった。
 その頃、僕たちの間で流行っていたのはドッジボールだった。美緒はドッジボールがめちゃくちゃ強かった。
 実は、美緒のお父さんは元高校球児、お母さんはソフトボールの選手、年の離れたお兄さんは現役の高校球児。美緒はバリバリのスポーツ一家に育ったのだ。加えて美緒はサウスポーだったので、普通とは逆手から繰り出される剛速球に、クラスメイト達は次々と餌食になった。
 「女に恥をかかされた」と男子達は憤るものの、腹いせにからかったりしようものならドッジのコートで必ず報復された。
 自然、美緒はクラスの男子からも女子からも遠巻きにされるようになり、必然的に、普段から話す相手は保育園からの幼なじみである僕だけ、という事になった。


次の話はこちらです。
読んでいただければ幸いです。


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