嫉妬にも似た何か。

唐突ですが。映画が好きです。
どれくらい好きかというと、社会人になってしばらくの間、自主制作で映画を撮っていたことがある。しかも8mmフィルムで、自分で編集していた。
それくらい好きなのです。

時間と機会に恵まれれば、洋画も邦画も観ます。
エンターテイメントばりばりなものも好きなんだけど、ちょっと古臭くてともすれば古典といわれるような、日なたと埃の匂いのするような、そういう映画。
そして、なによりも、ドキュメンタリーが好き。
ファッションデザイナーや、ミュージシャン、俳優や作家。そういった人達の仕事振りを特に好んで観てきました。

2016年公開のドキュメンタリー映画に「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣」というものがあります。

セルゲイ・ポルーニンはかつて英国ロイヤルバレエ団でプリシンパルとして活躍したダンサーです。
当時は史上最年少プリシンパルとして、バレエ界隈で話題になりました。
そんな彼の半生を幼少期から20代至るまで追ったドキュメンタリー。

世界一優雅な野獣とは、よくいったもので。とにかく、彼の美しさと才能と狂気のバランスが絶妙なのです。
私には彼が神様か悪魔に魅入られてるとしか思えないのです。

バレエなんて。しかも男性のバレエダンサーなんて。
そう思う方こそ、彼のパフォーマンスを、あの苦悩を、観て欲しい。

才能があるっていうことは、きっと、想像を絶するくらい辛いことなんだと思います。
それでも彼は踊り続けるのです。
時には深い闇の中で、時には眩しすぎる光の中で。スクリーンに映る彼の姿を見る私は、祈るような気持ちで、ただただ見つめることしか出来ない。

出来ることなら、あんな風に。
私も神様に魅入られたい。悪魔でもいい。

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