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ナナメさん #004 ヨコシマ リンコさん

ヨコシマ リンコさんのプロフィール

・27歳・女性・愛知県名古屋市出身

・通った学校について:
名古屋の私立高校 文理コース(*)→名古屋の芸術大学 音楽総合コース
(*いわゆる普通科で、のちに文系か理系か選べたような気がします、ちなみに私は文系でした)

・部活動:高校二年生まで、野球部のマネージャー
元々マンガオタクで、好きだった野球漫画のような高校ライフを楽しみたくてマネージャーになりましたが、現実は平日夕方と土日すべて拘束され、裏でマネの悪口を言う坊主どもの麦茶を作り掃除をし、坊主とマネの恋愛のいざこざにまきこまれ……と散々だったので、「これならバイトしたほうがいい」と思い辞めました。

・好き(得意)だった教科:国語(現代文)・音楽・美術・技術
・嫌い(苦手)だった教科:その他の教科、とくに体育
とっても運動音痴なので、とにかく体育が苦痛で、体育があるからと学校を休んだり、具合が悪くなったりしていました。

・卒業後の略歴を教えてください
大学中退→お金をためて、成人式後に上京→やりたいことがなかったので、見つかるまでガールズバーや薬局でバイト(約2年)→文章を書くのが好きだったので、ライターなら飽きずに続けられるかも、と“広告ライター”を募集していた企業に1社だけ応募し、合格。私の就活はこれのみ→入社後、実は広告ライターではなく、競馬の情報商材を売る会社であることが判明。違法ギリギリの業種だったが、初就職で初日に辞めることもできず、1年続けて退社→フリーライターとして生きようと、さまざまなメディアに応募しながら、テレビの放送作家も興味があり、男性作家の弟子的位置になる。ガールズバーも復帰。→男性作家のセクハラモラハラに耐えられず辞める→現在は完全在宅のフリーライターで取材・執筆などのほか、美容メディアの編集やアサイン担当などで生計を立てています。今年に入ってYouTubeも始めました~!

・現在の家族構成:なし

・趣味:漫画全般、スマホゲーム、うまい飯を食う

・休日の過ごし方:休日くらいは外にでようと、うまい飯を食いに行きます

・好きな音楽
一番好きな歌手は小田和正さん、あとはsuperflyや昔のアニソンなど。BGM代わりに流す歌手はジャスティンビーバーやケイティ・ペリーなどのド有名な洋楽。

・おすすめの本
小説はあまり読まず、エッセイか自己啓発本好き。と言っても、ライターにしては読んでないほうだと思います。エッセイ好きになったキカッケの本はさくらももこさんの「ひとりずもう」。文章だけで、日常を書くだけで、こんなおもしろい人がいるんだ…と気づかせてくれた本です。自己啓発系だと「アラン先生と不幸な8人」。アランの「幸福論」をめちゃめちゃ分かりやすくくだいている本で、「悩んでるのバカらしいな~」と思わせてくれます。

ヨコシマ顔写真

最近は「ライターっぽい恰好」を辞め、
好きなお化粧や髪色で過ごしているそう。

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現在、フリーのライターとして執筆や編集のお仕事をされているリンコさん。音楽を志していた学生時代から、ライターとして独立するに至るまで、数々の荒波を乗り越えたそうで…。その可愛らしい姿に秘められた、ガッツあふれる生き様をお聞きしました。

一時は本気で音楽の道を考えていたけれど…

――リンコさん、本日はよろしくお願いします!早速ですが、まず高校はどのように考えてお選びになったのか、教えていただけますか?

一番の決め手は、家から徒歩5分ととても近かったことですね!何よりも家が好きだったので、絶対にココがいいと思いました。制服がかわいいと人気の高校だったんですよ。

――近所にそんな高校があったなんて羨ましいです!

ただ、中学二年の半年間ほぼ引きこもりで学校に行っていなかったので、「合格はめちゃめちゃ頑張らないと無理」と言われてしまいました。それで塾に通い、猛勉強して合格しました。

――高校で得られたことは、どんなことがありますか?

勉強面では、好きな授業だけでも真面目に受けておいてよかったと思いますね。文法の基礎や、社会人なら知っておくべき歴史上の人物など、インプットしまくれる高校時代は恵まれていたんだなと今になって思います。
あとは、人間関係をたくさん学べてよかったと思います。多くの人と友達になって、「異性とはどういうものか?」「同性とはどういうものか?」「自分の性とは?」などを理解して、「いろいろな人がいる」ことを実感し、多様性を培っておいた方が、絶対社会人になってから苦労しません。人間関係は一生つきまとうので、学生のうちから向き合っておいて損はないです。

――それは本当にそうですね。高校卒業後の進路は、どのようにお考えになっていましたか?

歌がずっと好きで、高校からボイトレに通ったりして、割と本気で歌手を目指していたんです。なので音楽系の大学に進むことにしました。

――そうなんですね!しかし大学は中退されたと…。一体何があったのでしょうか。

大学に入って、歌以外の歌に関すること、例えば楽譜や、楽器、音声、DTM(ソフトで曲を作る)などの授業もあったんですが、まーーーじで興味が持てなくて。
唯一ためになるであろうボーカルレッスンも、期待外れで。もともと通っていたボイトレの先生の方が上手くて尊敬できたので、「あれ、じゃあもうこれ大学に通う意味なくない?」となってきて…。
歌を仕事にするなら、それに付属する楽器やDTMも避けては通れない道で。でもそれに興味がないのなら、歌は別に趣味で歌うだけでいいのかも、となりましたね。

――なるほど…

大学に入って一通り経験したからこそ気づいたことなので、進学した意味はあったとは思います。気づくだけで多大なお金がかかっちゃってますが…。
なので大学に迷ってる方は、事前に科目を一度自分で調べて、学んでみたほうが間違いないです。それで興味が持てないのであれば、入学してもうまくいかないと思います。

――そうかもしれませんね。実感のこもったアドバイスありがとうございます!

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学生時代に作っていたという「アーティスト写真的なもの」。

――それで中退・上京を考えられたわけですが、ご両親から反対などはされなかったのでしょうか。

もともと親は大学自体反対だったんです。音楽系の大学は費用もバカ高かったので、奨学金地獄を懸念していたようでした。そんな反対を押し切り、奨学金で大学に通っていた形だったので、辞めると聞いた時は多分安心したと思います(笑)
東京に出るための資金も自分で貯めたので、特に文句言ってくることはなかったですね。

――私からしたら、名古屋も十分都会なのですが、やっぱり東京の方が刺激もチャンスも多いですか?

そうですね。東京にいるからこそ、気軽に可能性にチャレンジできるというか…東京出てきて本当よかったなと思います。放送作家に弟子入りしたことがありましたが、そのきっかけになったイベントだって、多分名古屋にいたら、わざわざ東京まで出かけて行かなかったと思うし。

――なるほど、リンコさんにとっては東京が最高の環境なのですね!

はじめての会社勤めは、予想外のことだらけ!?

――そうして上京したわけですが、しばらくフリーター生活をした後に、ライター業を志して就職されたのですよね。その就職先が、なかなか大変だったと…?

「スポーツ系の広告ライター」と求人を出していた会社でした。面接ではスマホで自社のニュースメディアを見せられて、「スポーツ系の記事を書いていて、競馬とかも取り扱っているけど大丈夫?」というような話がありました。とくにギャンブルに偏見はなかったので、「問題ありません!」と答え、入社しました。
しかし、入社初日、「実はこういう会社なんだよね」と競馬情報サイトを見せられました。自社のニュースメディアは面接用のフェイクで、実際は競馬の買い目の情報を売るための文章を書く仕事だったんです。

――えっ…!話が違うじゃないですか。それでどうしたのですか?

初就職で初日に辞めるのは憚られましたし、業種以外の、給料や福利厚生は普通の会社と変わらなかったため、「1年続けて辞めよう」と決意しました。セクハラ・モラハラだらけで、結局1年たったころにはストレスで過敏性腸症候群(通勤中など、逃げ場のない場面に限って強烈な腹痛に襲われる病気)になってしまい、ちょうどいい機会だと退職しました。

ヨコシマ屋上

仕事がしんどすぎて、昼休みに屋上へ行き
段ボールに倒れこんだときに撮られたという1枚。

――そうだったんですね…。でも自分で決めた期間、きちんと働き通したのはすごいです!会社勤めで得られたことはありますか?

一番よかったことは、自分が知らないうちに「女」というのに甘えていたんだなって気づけたことです。それまで、ガールズバーという女がチヤホヤされる職場にいたので気づけなかったんですよね。女だからって甘やかされないんだ、最後まで自分で責任を持ってやり遂げなきゃいけないんだって実感できたのはよかったです。

それから、マナーなんかもかなり学びましたね。「のちにフリーで活動したい」と考えている人は、一旦その業種で就職してみると、かなりいい経験になりますよ。業種の基礎も学べますし、フリーはいい意味でも悪い意味でも“怒ってくれる人”“間違いを正してくれる人”はいないので、そういう部分は会社で学べてよかったなと思っています。

――そう言われればそうですよね…。では就職は決して無駄にはならなかったですね。

それから、その会社の会長さんってセクハラ言いまくるくせに「女性は大切に」主義の方で。女性社員限定で、全て会社持ちで沖縄で1週間遊ばせてくれたり、しょっちゅう高級ケーキ買ってきて皆に配ってくれたり、座禅体験しに寺まで行ったり…。普段できない体験をさせてもらってました。

――す…すごい。。それも含めて貴重な体験でしたね。

ヨコシマ沖縄

沖縄への社員旅行で人魚になったリンコさん

深夜の業界人のイベントに、手作りの名刺を手にひとり乗り込んだ

――宣言通り一年勤め上げてご退職。その後はどうされたんですか?

企業を辞めてすぐは普通のバイトを掛け持ちして、「早く誰でもできる仕事を辞めたい…」という意識を高めながら誰でもできるバイトをしてました。
ちょうどその頃、「放送作家と企画を考える会」みたいな集まりが開催されることを知って。放送作家という仕事にも興味があったので、「これだ!これでどんな仕事か掴んで、あわよくば作家さんと交流したい!」と思い、深夜の歌舞伎町に一人出向きました。

――おぉ…なかなかの勇気と行動力です!

まだフリー用の名刺も作っていなかったので、家庭用プリンターで自作して持って行きました(笑) 全員にお声がけして、手作りの名刺渡して「連絡してほしいです!!」って言って回ったんです。
女一人で来てるのも、家庭用プリンターの名刺持ってきてたのも他にいなかったと思うので、それで印象に残ったのか、数名の作家さんがその後連絡をしてくださって…。その中の一人に「弟子的な位置になる?」みたいなことを言われ、そこから数か月テレビ局での打ち合わせや会議などにご一緒させていただいて、企画書の手伝いやリサーチなんかをしてました。

――これも貴重な経験でしたね!ちなみに「弟子」というのはインターン的な捉え方でよろしいのでしょうか。お給料とかは出るんですか?

落語家さんとかと同じような感じで、作家さんも、弟子を何人かとって育てていく形をとっているようです。人によりけりですが。
無給かどうかはたぶん作家さんによって違うと思いますが、私の場合は無給で、生計はバイトで立ててました。

弟子時代は、呼ばれたら絶対出向く、急遽朝までにやってと言われたら徹夜でリサーチする、企画考える、打ち合わせと称したセクハラをファミレスで延々2時間…などが日常でした。「普通じゃできない経験をさせてるんだから金を払ってもらいたいくらい」と言われていました(笑)

――わぁ、かなりキツイですね…。

ただその経験があったからこそ、他のステキな放送作家さんと知り合えたり、それこそサイゾーウーマンで書くきっかけにもなり…。当時は本当につらかったですが、それを生かして次に繋げられればつらい経験も昇華できるかな、と思います。

つらい経験も次に生かす。リンコさんの起こした行動とは

――たくましいです!今お話に出ましたが、サイゾーウーマンさんって大手のメディアですよね。どのようにしてサイゾーウーマンさんで書くようになったのですか?

弟子を辞めたあと、「放送作家から受けたセクハラをどうにか記事にしたい!」と色々なメディアにメールして、それを受けてくれたのがニュースメディアのサイゾーウーマンでした。女性放送作家を数人集めて「テレビ界のセクハラ事情」みたいな座談会を開催し、それを取材して記事にしました。

その時の記事がこちらです!
https://www.cyzowoman.com/2017/12/post_162690_1.html

――ということは、フリーとして駆け出しの時期に、いきなり大手でのお仕事を獲得したということですか!?

そうなりますね。女性放送作家さんは、サイゾーウーマンの編集長さんのツテで紹介していただいたので、編集長さんと一緒に形にした…という感じですが。

――今もサイゾーウーマンさんで書かれているということは、その時の仕事ぶりが評価されたのでしょうね!

どうでしょうね!?(笑)
編集長さんからは「もっとめちゃめちゃな原稿がくるかと思ったら、まともで安心しました。フリーでやっていける力があると思います」との評価はいただきましたが。最初は実績も何もない女だったので、舐められてたんだなと思います(笑)
そこから継続してインタビュー系やウェブマンガのPR記事などをやらせていただいてます。

ヨコシマ仕事道具

リンコさん愛用のお仕事道具

――フリーのライターとしては上々の滑り出しかと…!大手メディアで書かれていると、他の仕事に応募するときもアピールポイントになりますよね?

そうですね、実際にサイゾーウーマンで書いてからメディアからの返信率はかなり上がった気がします。やはりウェブメディアで書いた実績がないとメディア側も不安なのでしょうね。
ただ、サイゾーウーマンって「ジャニーズ系とか芸能人のあらぬ噂を適当に書いてる」みたいなイメージを持っている人もいるので、「サイゾーウーマンで書いてます!」って伝えると「あのゲスいメディアね!」みたいな反応されることもありました。私は取材系や座談会系で、事実にともなった原稿しか書いていないので、「そんな反応されることもあるんだ」とびっくりしましたね。

――そんなこともあるんですね…

ライターでも、どんな方面のことを書いていきたいか?は明確に持っておいた方がいいと思いますね。適当にメディアを探してそこで実績を積んでしまうと、本来書きたかった方面の仕事と離れていってしまい、後々悩むことになるかもしれません。

――ある程度戦略も必要ということですね。それから行動力も大事そうですね。

そうですね、行動は絶対必要です!私の場合も放送作家さんのイベントに飛び込んだのが全ての始まりですし。お仕事をしていく中でも、何が好きかとかは伝えていった方がいいですね。どれが仕事に結びつくかわからない世界です。

不安だからとにかく動き続ける!多方面に活躍する未来を目指して

――では、リンコさんが今後力を入れていきたいお仕事や、目指す姿は。

今はYouTubeに力を入れたいと思っているので、動画編集やウケるタイトル、サムネのことばっかり考えてます!あとは、エッセイやコラムも書きたいと思っているので、noteで公開できればと準備してます。

将来は、大宮エリーさんのような、エッセイやコラムをメインにしつつ、ラジオやテレビでもコメンテーターなどができるようなマルチな人になりたいですね!今はそのために実績を積み上げてかなきゃ、という段階です。

――収入の面でも目指すラインはあるのですか?

収入はあればあるだけいいですが、ライターだけで高収入はかなり厳しいので、新しいこともいろいろ挑戦して、自分に合ったお金の稼ぎ方を見つけていきたいなと思っています。
ある程度お金と時間に余裕ができたら、フリーランスというどこでもできる仕事の特権を使って、キャンピングカーで日本一周とかしたいですね!

――楽しそうです~!リンコさんのお話からはフリーとして生きていく強い決意を感じますが、不安になる事などはありませんか?

不安はもう毎日不安です!思ったより稼げないし税金も高いし、フリーランスなんてなんの保証もないですし!!
でも何もしない方がもっともっと不安になっちゃうので、とにかく動くしかない…と自分を奮い立たせてます。

――でもリンコさんを見ていると、お仕事を楽しんでいるのだなとか、生活が充実しているのだろうなと感じます。学生の頃と比べて、生活の満足度は上がりましたか?

めちゃめちゃ上がりましたね!
朝起きるのが本当に苦手で、スケジュールがガチガチに詰まっているのも苦手だったので、毎日同じ時間に起きて同じ場所に行かなければいけない学校や会社勤めは苦手でした。
大好きな家で自分のペースでお仕事に取り組める今が、一番いいです。

ヨコシマ部屋

お気に入りの仕事場所は、この大きくて真っ赤なソファ

――学生の頃を思い返して、今思うことはありますか。

学生のころは、家庭と学校くらいしか世界がなく、嫌なことがあっても逃げ場もなく、将来に希望も持てなくて…「ここから楽しくなることなんてあんの?生きてる意味とは?」って考える日々でした。でも、学校や会社に縛られるのをやめて、フリーランスになってから、「なんだ、大人のほうが楽しいじゃん」と思えて、生きるのも悪くないなと感じました。
もちろん行動すべてが自分の責任になりますし、辛いこともありますが、将来に希望が持てず苦しんでいる学生さんには、もうちょっと、だましだましがんばって、社会人になって好きなことやってみて!と伝えたいです!

――持ち前の行動力で、自分の人生を主体的に生きるリンコさん、とてもカッコイイと思いました。これからのご活躍、楽しみにしております!

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リンコさんのSNS・ポートフォリオはこちら。
▼Twitter
https://twitter.com/yokoshimarinko
▼Instagram
https://www.instagram.com/yokoshimarinko/
▼YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCAVkk8WML_3Sua0JzsITRZA
▼ポートフォリオ(お仕事の依頼はこちらから)
https://yokoshimarinko.jimdofree.com/

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