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第二十一回『もろもろのちゃくそう』

さて今回も、千歳白雪ちとせしらゆき一九素饂飩いっきゅうすうどんの解説を中心に参りましょう。

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千歳白雪の着想

背びれ

千歳白雪は、この能力からもお分かりかと思いますが、着想はサメ映画からです。
 
要は、五子がサメに追いかけまわされるシチュエーションが面白そうだと生まれた七剣ですね。
 
そのため、彼女の持つ妖刀浦鮫うらさめ、すなわち村雨のパロディから生まれたわけではありません。
 
村雨は妖刀どころか、『里見八犬伝さとみはっけんでん』の主人公が持つ刀ですしね。
 
浦鮫と名付けたのには、理由があるのですが、それはまたおいおい。

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ネーミングについて

剣はない

以前に破輪はりん七剣しちけんについて解説しましたが、もう少し補足をば。
 
個人的に「破輪」という響きは、必ずしもカッコイイと思ってつけたものではありません。
 
むしろ、好みだけで言えば、ストレートに「破竹の七剣」のほうが良かったかなと思っています。
 
ただし、自身の感覚でカッコイイと思っていない名づけをしたのには理由がありまして、自分の好みのネーミングだけ行っていると、その世界が一人の人間が名前を付けて回っているような、歪さを感じてしまうためです。
 
そんな世界、本来あるはずがないので、リアリティが下がるといいますか、どうにもすわりが悪いのですね。
 
そこで、あえて自分の好みじゃないネーミングをしたりもします。
 
江御えごなんかもその理由でつけており、もしかしたら今後もイケてないネーミングが出て来るかもしれませんが、「この世界には色んなネーミングセンスがある」とか「この世界における昔はそれが普通のネーミングだった」とかが表現できたらいいなと思っています。
 
なお、三之助の技名などは、キャラ性を立たせるのが目的なので、世界観より優先度を上げて、キャラありきでつけています。
 
ただ、作家性が確立されていて、「その人味」が受け入れられているのならば、むしろ一色に染まったネーミングの世界も美しいと思います。
 
僕は、まだまだそんな領域には辿り着けていないのです。

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一九の分身

一九子機

小型一九が次々現れていますが、オカルト能力ではありません。
 
本作ではどんなにトンデモ設定であったとしても、少なくとも作品世界内で一応の説明がついていることしか起こらないようにしています。
 
謎のパワーで勝つとか、そういうロジックのない戦いがあまり好みではないので、そういうルールを自身に設けています。
 
この場合、万象ばんしょうの技術で生み出された、生体と絡繰からくりとを組み合わせた子機だと思ってください。
 
その意味では、飛ばしていた腕と非常に近い存在ではあります。
 
ちなみに、バレバレかもしれませんが、一九の発想の原点は、某ジオン軍のモビルスーツです。

さて、次回、第二十二話ブログは7月3日(水)、『しごにんの侍』第二十二話はその前週、6月26日(水)に公開予定です。

といったところで、今回ここまで。また次回のおたのしみ。