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『フォードvsフェラーリ』を観る

こんにちは、東京スタジオのヤマケイです。


先日、『ぴろライブ!』でイシイジロウさん『フォードvsフェラーリ』をオススメしていました。

予告の時点で面白そうだったので気になっていた作品ですが、コロナでドタバタしているうちに観損ねていました。


マイルズ「開発にどんだけかかる?200いや300年か」
シェルビー「90日だ」
マイルズ(爆笑)

フォードがフェラーリを負かすと聞いたときの会話は、ゲーム開発でも締め切りを聞いたときによくある流れそっくりです。


絶対王者フェラーリに挑んだフォード・モーターの実話をもとにした映画で、イシイジロウさんも仰っていますがタイトルは『フォードvsフェラーリ』であるものの、実際には『フォード(経営陣)vsフォード(現場)』という感じの作品です。

Amazon Prime Videoに入っていたので観てみましたが、「いろんな立場からのことを考えると、現実がこうなるのはわかる」と思える作品でした。

クリエイターや会社勤めの人が見ても、楽しめると思います。


特に、経営陣(主に副社長)が広報や宣伝のことを気にして「マイルズではなく、別のドライバーを出す」と言い出すシーンなどは、現場や観客からすると「あるある」ではないでしょうか。

副社長の意見も間違いではないのです。

フェラーリはレースがやりたくて車を作っていましたが、フォードは車を売るための宣伝としてレースに参加するのです。

フェラーリが「勝利」の象徴であるならば、フォードは「信頼」の象徴であろうとする。

若者に格好良さをアピールするという意味でも、マイルズはもう40を超えているし粗野なためマッチしていないということになります。

「副社長、わかる…わかるがしかし…」とマイルズに味方したくなるのは、レースまで日がないということと、ドライバーの代役はいたものの結果としてマイルズが忠告した通りの機材トラブルが起きて巨額の損失を出してしまうからです。


ケン・マイルズ役のクリスチャン・ベールの演技がうますぎて「こういう人だったのではないか」と思わせる力が強いのも魅力です。

自分が出れなかったレースのラジオを「聞くか」と聞かれて「聞かない」と答えるものの、職人気質なので結局聞いてるし、皆が帰ったあともずっと車と向き合い続けている。

過激な言動が出るのも車が関連しているとき。

だからこそ観ているほうも、「あっこれただの粗野なおっさんじゃない」「判断自体は冷静で的確で早い」ということが分かってきて「経営陣はもう少しマイルズに敬意を払わんかい」と思える流れになっています。


経営陣視点、マイルズの奥さんや子供視点、シェルビー視点、マイルズ視点と各自の視点で色々なことを考えながら観るとかなり楽しめる作品です。


ぴろライブの次回ゲストは齊藤陽介さんですが、「現場から見た経営陣あるあるにあてはまらない」魅力のあるかただと思いますので、そちらもお楽しみに!


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ニイザト

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ヤマケイ