カメムシの悪夢

どうやら今年は去年よりもカメムシが大量発生しているそうです。

妹と二人暮らしを初めて2年目、この夏は2回ものカメムシの被害にあいました。


1回目は洗濯物。

外干ししていた洗濯物を畳もうとしたその瞬間、羽音がしたのです。ヤツはキッチンの方に飛んでいきました。カメムシでした。

虫が大嫌いな私たちは、もし家の中に出た時、第一発見者が殺るというルールがあります。

しかし今回は2人。

私はそっと妹に凍殺ができる殺虫剤を手渡し、遠くから見守りました。妹は文句を言いながらも果敢に挑んでくれます。しかし今は夏。しかも今年は猛暑日が続いて例年よりも暑い。凍ってもすぐに解凍されてしまいます。無傷。

そこで第二の武器。
カメムシ専用の忌避剤が駆除にもいいと書いてあったのでまた果敢に挑みますが、元気に動き続けます。

気づけば1時間が経っていました。
1時間も経てばさすがに息絶え、我が家は平穏を取り戻しました。

この日以来、外干しはしていません。


2回目は多分私。

夜に帰宅し、手を洗っているとヤツの臭いがしました。そんなわけない。そう言い聞かせリビングへ。
妹とテレビを見ていました。しかし2人とも同時にヤツの臭いを感じ取りました。
姿は見えないのに臭いがする。ホラーです。

その日は私の手が一番臭っていたので、出先で使った金木犀の香りのハンドクリームが原因という結論に至りました。

しかし次の日の朝。妹が私より先に起きて服を着替え、履いたズボンをふと見ると、そこにはカメムシが。

第一発見者は妹。

私は妹の叫び声で目が覚めました。数十分格闘していましたが、妹の出かける時間が迫っていたため、駆除は私に引き継がれました。

運良くカーテンの裏に飛んでいってくれたのであとは外に逃がすだけ。
だけ、ですが時間はかかります。
私は頑張って窓を開け、飛んでいけと念を送りました。しかし出ていきません。

そこで近くにあったハンガーを手に取り、中に入ってこないようにカーテンを塞ぎながら刺激を与え続けました。
しばらくはビクともしませんでしたが、やっと外に飛んでいってくれました。

今回も無事に平穏を取り戻しました。
また1時間でした。

その後はすぐに実家に帰ったので、被害なく過ごすことができました。

そして帰宅の日。
両親が実家から二人暮らしの部屋まで送って来てくれたので、玄関の外の壁に忌避剤を撒いてもらいました。
調べたらネットでは低評価でしたがないよりはマシでしょう。
これでカメムシの被害が減るはず。私たち姉妹は期待に胸を膨らませていました。


しかし、これが悪夢の始まりでした。

次の日、玄関を開けて外へ出ると、壁にカメムシが数匹。おかしいと思いながらも気のせいと自分に言い聞かせました。

また次の日、昨日の数匹が地面で息絶えています。
しめしめと思ったのも束の間、壁に新たなカメムシが数匹とまっていました。
何かがおかしい。そう思いました。

日を重ねる毎に地面で息絶えているカメムシは増えていくばかり。今では20匹を超えてしまいました。なぜか息絶えたコガネムシも混じっています。

そう、両親に撒いてもらったのは忌避剤と名乗るホイホイだったのです。


悪夢は終わりません。

いつまでも息絶えたカメムシと一緒に過ごすわけにはいきません。地面から一掃しなければいけない。

しかしどうでしょう。

私たちは生きているカメムシ1匹と1時間も乱闘を繰り広げる姉妹です。いくら息絶えているとはいえ、そんなことができるでしょうか。できません。
ほうきで廊下の端っこに掃くので精一杯です。しかも全て息絶えているという保証はありません。
そんな状況下で私たちは苦しんでいます。

殺生ばかりすみません。
でも私たちの平穏な暮らしが最優先なのです。

どうして私たちの部屋ばかりが被害を受けるのでしょうか。なぜ忌避剤なのに忌避剤ではないのでしょうか。部屋が道路側だからでしょうか。

神様、どうか私たちに平穏な暮らしを。ご加護を。
カメムシの駆除を。

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