見出し画像

個人的にここが好き!ドヴォジャーク♪交響曲第9番《新世界より》

世界中で知らない人はいないレベルの名曲であるこの曲を特集します。
日本では作詞家の堀内敬三で《遠き山に日は落ちて(家路)》で知られています。
アメリカではドヴォジャークの弟子が作詞した《Goin' Home》があります。

○名前
チェコ語でAntonín Leopold Dvořák
日本語訳だと、ドボルザーク→ドヴォルザーク、ドヴォルジャーク→ドヴォ(ル)ジャーク、と色んな訳があり、それでも現地の言い方には合っていないそう。
私の先生が「海外の人には聞こえて、(日本人の)俺には聞こえない音がある」と仰っていましたが、そういう事なのかもしれないし、文字にするのにも限界がありますからね‥。
私は文字制限の関係からTwitterではドボルザーク派だと思います。他はドヴォジャークにしようかな。(それってどうなの)

○ドヴォジャーク×鉄道
詳しくはこちらで

これは余りにも有名な話ですが、根っからの鉄道ファンであり、船も好きなのでしょうか(新世界2楽章最後に汽笛のモチーフが現れる)
毎日車両運用を調べたり、異音を見つけ、それを鉄道会社に報告して点検させたら本当に異常を見つけたなどの逸話が残っています。

この動画の最後にもありますが、作曲家の名前が国際特急列車の名称になっているそうです。

○新世界
この曲は1893年に作曲されました。
副題の《From the new warld》はドヴォジャークが新大陸と言われているアメリカへ行ったときに作曲されたものです。
新大陸とは、大航海時代に航海者であるアメリゴ=ヴェスプッチが新大陸に上陸し、そう名付けました。その後1507年にドイツ人地理学者ヴァルトゼーミューラーの作成した世界地図で新大陸にアメリゴに因んで「アメリカ」という呼称を与えました。(諸説あり)

ちなみに、何故ドヴォジャークがアメリカへ行くことになったかと言うと、1891年春、ニューヨーク・ナショナル音楽院の創立者・理事長ジャネット・サーバーからドヴォルザークに音楽院院長職への就任依頼が届いたからです。国民楽派のスタイルを音楽新興国であるアメリカに根づかせたかったのでしょう。もしドヴォジャークが行かなければ、シベリウスが行っていた節があります。当初はドヴォジャークは行く気はなかったそうですが、鉄道の為に重い腰を上げた説があります(笑)
音楽院院長就任後、1893年に交響曲第9番《新世界より》に着手・完成させます。

○ベートーヴェンの影響力
ベートーヴェンといえば、交響曲第5番《運命》で、冒頭のテーマがしつこい事で有名ですが、《新世界より》にもありまして、1楽章は

3楽章

3楽章はテーマとなるリズムが終始続く中の最後の譜面なのですが、なかなかくどいと思います。
ヴィオラパートも載せてみました。5連符合っているのかなこれ…全音スコアは8分音符での記譜なのだが。なかなかすごい事やっていることがお分かりかと思います。3→トレモロ→6→5→4→3と、まるでSLが停車するかのよう。そしてattaccaで発車する訳ですね。

○1楽章に民謡がモチーフ
これも有名作曲家なら当たり前ですが、民謡を使ってくれています。
1楽章随所に出てくるこの旋律のモチーフは、黒人霊歌の《揺れよ幌馬車 Swing Low, Sweet Chariot》が基になっていると言われています。

この曲で使われているモチーフです。
これがドヴォジャークの手にかかると

音楽之友社の『「ドヴォルザークの音符たち 池辺晋一郎の「新ドヴォルザーク孝」』の中で筆者はこう述べています。


黒人霊歌をヒントにした。が、ドヴォルザークはそれを自分の語法として消化し、昇華させた。その結果、従来の西欧的音感覚から新鮮に、またエキゾティックにも聞こえる音楽を創出することに、ドヴォルザークは成功したのである。

○国内版と海外版で小節数が違う
国内版は『ゼンオンスコア ドヴォルジャーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95《新世界から》』
海外版はカルマス版です。
エクセルでまとめました。ちょいちょい違いますね…

ささいなことですが、オーケストラの練習を円滑に行うには大変重要なことなので、まあ各自で振ってこいなんて口が裂けても言えない訳で。笑

○ここが好き
この曲私が初めて弾いたのが大学1年の1月で、この曲でオーケストラの事がわかり始めました。指揮者というより、各楽器を観察する曲だなと感じています。
これくらいしかない…というか、ドヴォジャークの人が好きですね。国民楽派好きなので余計に。

○私のおすすめCD
リボル・ペシェック指揮
チェコ・ナショナル交響楽団で、ドヴォジャーク交響曲第8・9番

ヤマダ電機でハイレゾ試聴をして一目ぼれ。記憶とヤマダ電機の情報を頼りにコンパクトディスク版を買いました。便利な世の中です。

参考

http://www.worldfolksong.com/classical/dvorak/goin_home.html

https://www.y-history.net/appendix/wh0901-031.html

http://shop.zen-on.co.jp/p/897083
http://www.aritearu.com/Influence/Native/NativeBookPhoto/Hiawatha.htm
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF
https://www.efkalmus.com/kalorchdetail.php?r=1724

拙い文章ですがお読み頂きありがとうございます! 私の詳しくは https://t.co/c3ikR7p8Ht インスタ: https://www.instagram.com/cbyoshida/