イノイチサードプレイスプロジェクトとは何だったのか?
2020年3月〜2022年6月にかけて、三鷹市井の頭一丁目と三鷹台駅エリアで取り組んだイノイチサードプレイスプロジェクトとは何だったのか、をまとめます。
まちのサードプレイスをつくる
まちで住む、働く、学ぶ、遊ぶ、多様な老若男女にとって自宅や職場、学校以外の第三の場所が必要であり、それをつくろうと考えて始めたのがイノイチサードプレイスプロジェクトです。
不動産市場に出ていない空き家を開拓し、空き家オーナーや地域の町会、近隣住民、商店会などの皆様とコミュニケーションを取りながら、古着市やICT教室の実施、日曜カフェ(仮)の立ち上げ、シャッターアートのコーディネート、そして「まちのサードプレイスをつくる」をコンセプトとしたシェア型本屋兼レンタルスペースであるイノイチブックスの企画と運営に取り組んできました。
空き家×地域課題
不動産市場に出ていない空き家が全国的に増加傾向にある中、街中に点在する空き家を活用して多様な地域課題を解決したいという考えの下、当時の自宅の最寄駅である三鷹台周辺で空き家の開拓や、地域課題の調査を始めたのが最初でした。
その過程で町会や商店会、空き家所有者、地域住民など様々なまちの人と出会い、縁あって空き家を借りることができ、個人事業としてイノイチブックスを開業したり、三鷹台のまちの人と一緒に様々なまちづくりプロジェクトに関わらせていただいたのでした。
シェア型本屋+レンタルスペース
三鷹台というまちで空き家を活用したシェア型本屋兼レンタルスペースを始めたのは、次の3つの理由からでした。
1.多様な地域課題を解決したいから
人口減少や超高齢化、デジタル化の進展などを背景に、子育てや教育、住まい、防災など地域社会は様々な課題が山積しています。こうした課題を解決するために、街中に点在する空き家を活用したいという思いがあります。
2.活動を通してサードプレイスが必要だと考えたから
本などを通してサードプレイスの重要性はあらかじめ知っていましたが、地域住民との会話や町会、商店会のイベントや活動に参加するにつれ、自宅と職場(または学校)との中間の場所が必要だと考えました。
3.吉祥寺のブックマンションに可能性を感じたから
三鷹台(井の頭)という土地柄、落ち着いた文化的な要素に対するニーズがあると考え、本に着目しました。吉祥寺のシェア型本屋であるブックマンションが、個性豊かな小さな本屋がいくつも集合している(共生している)まるで一つのまちのようである点に可能性を感じました。
まちに住み働き学び遊ぶ老若男女
利用者の対象は、まちに住み働き学び遊ぶ老若男女です。事業ごとは以下のとおりです。
シェア型本屋
小さな本屋の運営を楽しみ、棚主同士の交流や小さな本屋の運営で生まれる新しい発見や学び、気づきに価値を感じる方レンタルスペース
仕事や活動、学習、やりたいことができる場所を探している個人や事業者
近隣住民7:近隣外住民3
実際の利用者の属性は以下のとおりです。近隣住民7:近隣外住民3で、意外と遠方からいらっしゃる方もおり、SNSやブログ、動画の力を感じました。
本が好きで、その本の魅力を共有したい方(やや女性が多く、遠方在住者もいらっしゃった)
自分の作品(自著、編集した本、CD、雑貨)を売りたいライター、編集者、漫画家、ミュージシャン、デザイナー
自分の作品を制作、発表したいアーティスト、クリエイター(服作り、撮影スタジオ、ハンドメイドマーケット、絵画展)
地域づくりやまちづくりに対して思いを持って行動されている方やメディアの仕事をされている方
引き続きまちづくりします
個人事業をやったことでわかったこと、それでもわからないこと、色々あります。この経験を糧に、引き続き魅力あるまちづくりに取り組んでいきたいと思います。今後は元イノイチブックスとしても情報発信していきます。