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心理カウンセリングの正体

心理カウンセリングは人の数だけ存在するといっても過言ではない。資格、働く領域、療法など組み合わせによっては無限大であり、とても一つに括ることはできない。共通項があるとすれば、心理臨床にかんする理論を学んだセラピスト(カウンセラー)と呼ばれる専門家がクライエントが抱える困りごとに対して心理的援助を行うという点だろうか。心理的援助が何を指すかも多岐に渡るのと、セラピストによって主たる理論が異なってくるため厳密な共通点など存在しないかもしれないが。
公認心理師や臨床心理士など資格によってある程度枠が定まった資格もあるがすべてではない。なぜなら心理カウンセラーは名乗れば誰にでもなるこどができるのだから。自分が改善した独自メソッドを用いてカウンセリングを行っても法的には問題ない。景品表示法などに触れない限りは。
それでも国家資格ができたり、特定の療法が限定的ではあるが保険点数化されたりと前進はしている。色々と嘆いていた時期もあったが、嘆いたところで何かが変わるわけではない。それよりも心理カウンセリングについてより多くの人に知ってもらえるよう努力していこうと考え、日々ブログやイベントを行っている。

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心理カウンセリングの正体

それでは本題に入る。これまで私は何とか一括りできないものかと悩んでいた。しかしどう考えても不可能なのだ。仮に心理カウンセリングが公認心理師の独占業務になったとしても領域や療法は人によって異なり結局のところ一括りはできないのである。結論として、倫理や法律を守っていれであれば無理に一括りせずその人にあった心理カウンセリングを届けることができるような世の中になれば良いなというところで落ち着いた。実情は倫理や法律もまだまだ共通認識になっている訳ではないが。このような実態の中、心理カウンセリングについて私が語れることはあるのだろうかと考えてみた。自分にとって心理カウンセリングとは何なのかについてであれば語れるのではなかろうかとの結論に至った。ここまで読んでいただいた方であれば誤解もしないであろうが念のため伝えておくとこれから述べることは、あくまで私にとっての心理カウンセリングの正体であり、あらゆる心理カウンセリングの正体ではないということを覚えておいてほしい。言うなれば、心理カウンセリングの正体(岡村の場合)である。

筆者にとっての心理カウンセリングの正体

カウンセリングの正体といっても一言では語れないので、私が大切にしているポイントを列挙する。下記ポイントを統合したものが私にとっての心理カウンセリングの正体になる。

1.言葉は刃物
刃物は食事やなどさまざまな場面で活用できる便利な道具でありながら使い方を誤ると容易に人を傷つけてしまう。カウンセリングも言葉を用いて真意支援を行う以上、傷つけてしまう恐れはある。こういった事態を防ぐためには倫理や法律をしっかり学び、自身が専門とする理論についてもリスクについて熟知しておくことが大切となる。私が何より大切にしていることの一つである。

2.医学の知識
心理カウンセリングと医学は密接に関係している。医学的視点を疎かにすることでクライエントの状態が悪化し取り返しがつかなくなることもある。たまに病気というラベルを貼りたくないといった理由で意地でも医療機関に繋げない支援者に出会うことがある。分からなくもないが、支援者の主義によってクライエントが被害を受けることは避けなければならない。

3.コミュニケーションスキル
心理カウンセリングはサービス業であると考える。ゆえに最低限のコミュニケーション力は必要となる。気配りや配慮ともいえるだろうか。相手の立場に立つことは容易なことではないが、話しやすい雰囲気づくりや話を聴く際の姿勢など身に着けておく必要がある。できれば一度アルバイトや社会人経験することをお勧めする。

4.関連知識
産業領域で仕事をするなら産業について、教育領域で仕事をするなら学校など教育機関についての知識を知っておくことも大切になる。

5.選択の尊重
正しい選択はない。今のままでいることも、別の選択をすることもクライエントの自由なのである。セラピストがクライエントのためにと頑張ろうとするとき、選択を半ば強制的に決めてしまうときがある。あくまで選択するのはクライエントでありセラピストはそのサポートをする存在だと考えている。もちろん危険性があることや状態によっては例外的な対応が必要な時もある。

6.気づき
私が運営するカウンセリングルームのモットーにもなっているのが「気づき」である。自身の考えや行動などセルフモニタリングによる気づきをサポートすることが心理カウンセリングにとって重要だと考える。人は「気づく」ことで現在地を知り今後の選択を検討することができる。

7.解決策は自分の中に
先ほど「気づき」の重要性を述べたが、困りごとに対処する力をすでに持っていることに「気づく」こともまた心理カウンセリングだと考える。例えばダイエットがうまくいかないことに悩んでいる人がいるとする。その人は本当にこれまで何も対処できなったのだろうか。そんなはずはない。体重の増加を遅らせたり、時には一時的にでも減少するための何かをしたことがあったはずだ。ダイエットだけの話ではない。不安に悩む人はありとあらゆる不安を避けたのだろうか。少なくとも不安を抱えながらカウンセリングを利用している時点でそれは解決に向けた力なのだ。クライエントの力を信じそこに気づくことを大切にしている。

8.分かっちゃいるけど変われない
解決に向けた力を自身が持っていることに「気づく」ことができたとしても、その力を発揮し続けることは難しい。習慣化とは厄介なものなのである。そのことを念頭に入れておかなければ机上の空論で終わってしまう。机上の空論で終わらないためには、力を発揮し続けることができる「仕組み」を検討することが大切でそこがセラピストの腕の見せ所でもある。

9.データ
何が困りごとであり、それがどのように維持し解決するとはどういうことなのかをデータを用いて整理することを大切にしている。データを大切にすることでなるべく客観性を保つことができるからだ。認知行動療法がベースの理論であることも影響している。

10.正直者であれ
セラピストは賢者でなければエスパーでもない。どれだけ勉強しても分からないことは分からないのである。変に強がるのではなく分からないことは素直に聞くようにしている。

おそらくまだまだ大切にしているポイントはあるが、ちょっと疲れてきたのでここでいったん止めておく。

認知行動療法カウンセリングセンター

私が運営する認知行動療法カウンセリングセンターは私にとっての心理カウンセリングが詰まった場所でもある。


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