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10% Happier

 Kindle版が¥125と安くなっていたのでDLして読みました。2014年の作品です。邦訳版も同じタイトルで出ています。

 本番中、ニュースを読んでいる真っ最中にパニック発作で茫然となったニュースキャスターの、魂の救いの道を求める旅が綴られています。最後にたどり着いたのが「マインドフルネス瞑想」でした。テレビ局の内幕などが(たぶん)正直に書いてあって興味深いです。

 著者はユダヤ系ですが無神論者のようです。両親も無神論者のようです。神を信仰する気はないようです。自我の混乱を鎮める具体的な方法、ハウツーを求めていた時に瞑想に出会ってハマったようです。

 10日間の瞑想の合宿中の出来事が詳しく書いてあります。ボクの好きな岸田秀の理論を思い出しながら読みました。はじめ、慈悲の瞑想を偽善的?だとして否定していました。岸田理論で言えば自己放棄衝動をヒトに向けて解放しない欧米人の感覚だろうかと思いました。この点、ボクたちは、普段から見境なく自己放棄衝動をヒトに向けて解放しているので楽ですよね。

 あるキッカケを得て、慈悲の瞑想中に自己放棄衝動を解放した著者は涙を流します。食堂で見かけた見知らぬ人を見ても涙してしまいました。この本では、こうした説明は一切無いです(当然ですが)。むしろ、著者はある種神秘体験として捉えたのかもしれません。

 岸田理論で言えば自我の支えを否認したまま、瞑想によってつかの間の平静を得るという感じでしょうか。

 あと、思い出されることがあります。ボクが昔一時期夜勤をしていた時のことです。風邪を引いたりして体調の悪い時に、ゼナFⅡを飲んだら朝まで持ちました。でも、普通の時にゼナFⅡを飲んでも、より元気にはならなかったという思い出です。ですから、瞑想も本当に弱っている時には効くのでしょうが、普通は幸せ感がせいぜい10%UPする程度だということでしょうか。

 著者が自分の番組で、この本の紹介をした部分がYouTubeにあったので載せておきます。


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