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The Book of Lost Things

 「失われたものたちの本」ジョン・コナリーの2006年の作品。宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」の原作のひとつと言われるものの原書に挑戦。Kindle版が¥166と安かったので。

 安いのは、イラストレイテッドエディションとありながら挿絵が無いからかなと思いました。Kindle版でこれとは別に、上下2巻に分かれていて各¥1500くらいするものもあります。あちらはおそらく美しい挿絵があるのでしょうね。見てみたいものです。

 面白かった。昔見た映画「ウィロー」の世界を思い出しました。子ども向けとは言え読み応え十分。12歳の時のボクにはもったいないです。尤も、日本語でもゼッタイ読まないでしょうね。長いし。マンガ版がもしあったら、なんとか読めたでしょうが。

 宮崎駿映画は見ていないですが、クルークドマンがアオサギなのでしょう。こちらはマグパイ、カササギです。主人公デイビッドは父の新しい妻と、その間にできた子を憎みます。ジェラシー。強い感情です。しかし、クルークドマンに弟の名を告げることはしませんでした。

 岸田秀は「幻想の未来」で、ヒトは自我の安定をおびやかすものを憎むと述べています。

 12歳の頃のボクにも強い感情はありましたが、本を読んでその感情を言語化して受け入れ、情緒を安定させるなんてことは出来なかったろうなと思います。

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