奈良の絵日記 三日目
2010年9月13日
「元カノに逢いに行った」の続きです。
江戸の敵を長崎でとは聞くけれど、まさか東京の疲れが奈良で出るとは思わなかった。
前夜は昼間の暑さから解放され、宿のエアコンに救われた気分だった。
ところが夜十時には就寝したものの、日付けが変った頃に目が覚めてしまった。
どうやら軽い夏風邪を引いてしまったらしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1668405161710-dsPNT7zPed.jpg)
眠れぬまま、ライティングデスクに向かい、想像で興福寺の朝焼けを描いた。
今日は法隆寺へ行くつもりだったが、一日、休養と決めた。
その代わり、阿修羅を見よう。
朝までの長い時間、持参した文庫本を読んで過ごした。
秋の旅朝は茶粥に香のもの
食後に部屋に戻り、少しだけ二度寝をした。
気がつけば九時、国宝館の開館時間だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1668405327998-273kJo8FyA.jpg)
宿からブラブラ歩いて、興福寺境内を散策。
![](https://assets.st-note.com/img/1668405490402-X4BzyThWsD.jpg?width=1200)
今日は平日。
昨日までと打って変わって、人が少ない。
来月には初層を一般公開するらしい。
鹿。
段ボール食べてる。
![](https://assets.st-note.com/img/1668405529550-El9QtL1yr7.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1668405547743-LUrxe6TO7o.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1668405868978-qLGUdwSW7L.jpg)
重要文化財の南円堂。
お参りする人がちらほら。
![](https://assets.st-note.com/img/1668405924140-8IggLKzo0T.jpg?width=1200)
少し歩いて北円堂。
こちらは国宝。
きれいな六角形だ。
そして国宝館へ。
阿修羅との再会は一年半振りだ。
相変わらずのお姿に、しばし至福のひととき。
体調の悪さも、時間さえも忘れてしまう。
![](https://assets.st-note.com/img/1668406983571-ylZXujFxsD.jpg)
バラ売りしていた柿の葉寿司を買って、宿に戻った。
結局それは食べずに、横になった。
それでもせっかく奈良に来ているのだからと、再度、出掛けることにした。
タクシーで白毫寺へ。
![](https://assets.st-note.com/img/1668406103638-KVHXr0yHbM.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1668406148853-V9YvGlRqtR.jpg?width=1200)
周囲の邪魔にならぬよう、素早く描き上げた。
奈良の多くのお寺には、数え切れないほどの思い出が詰まっている。
あの時は誰と訪ねた、そして別のあの時も誰かと一緒だった、あの季節は寒かった、などの想いが押し寄せて、胸が一杯になる。
志賀直哉の旧居にも寄らず、早々に宿へ引き上げた。
誰か「小僧の神様」ならぬ「中年の神様」を書いて、ひと時でも良い夢を見せてくれないものか。
とにかく、夏風邪を追い出して、明日からの為に体力と気力を復活させよう。
明日は、いよいよ法隆寺へ行く。
続きます。
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