コカ・コーラカラーボトルチャレンジがチャレンジな件
最近、色覚異常界隈で話題のコカ・コーラカラーボトルチャレンジ。
この5色、実は色覚異常者にとっては絶妙に混同しやすいバランスになっています。
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1.オレンジと黄色の絶妙な距離感
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以前の記事で「原色に近い彩度であれば色覚異常者でも見分けられる」と書いたことがありますが、絶妙なバランスのものについては高い彩度であっても見間違えることがあります。その代表が黄緑とオレンジです。
自分は2型の色覚異常ですが、おそらくこの組み合わせについては1型でも混同しやすいのではないでしょうか?
そしてコカコーラボトルチャレンジのオレンジ色は極めて黄緑と混同しやすいバランスの色となっています。具体的に指摘すると、明度と黄色〜赤色の比率です。
そもそも単体で見たときに黄緑と混同しやすくなっているのですが、さらに赤色が弱い1型色覚異常になると、黄色のボトルとの識別が難しくなってきます。
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2.緑色の絶妙な明度
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緑色も絶妙です。緑色というかほぼ明るめの青緑だと思います。
これは自分のような2型の色覚異常者にとっては最もグレーに近い色です。
例えば青みを抜いて、もう少し深い緑に寄せてもらえたら見分けやすかったのです。
このパッケージの色の意図は純粋に「いいバランスの5色を作りたい!」、「コカ・コーラらしいアクティブさを感じる色にしたい」というところにあると思います。しかし全くひねりのない絵の具のような原色にしても面白みがないから、少し変化をつけよう、と思ったのではないでしょうか。
自分はすべての製品の色が色覚異常者を考慮して作られている必要はないと思っています。
もちろん、例えば看板などは、色が重要な情報伝達の役割を担っているので細心の注意をはらって可能な限り多くの人に伝わるものにしなければなりません。
でも、趣向的なものでは別に様々な色があっていいと思っています。色覚異常者にはピンとこないかもしれませんが、健常者には魅力的なものであればそれはそれで価値があります。仮に自分が色覚健常者でもそれが好きになるかどうかは、ただの個人の好みですし。自分の個性に合わせて色を選ぶ範疇であれば、それは異常があろうとなかろうと、さして関係のないことです。
ただ、今回のコカ・コーラの場合は少し疑問が残ります。
コカ・コーラは世界一ポップなブランドなはずです。絶大な一般性、誰もが知っている、万人に向けたブランドです。そのブランドが、色覚の多様性を考慮せずにボトルのデザインをしたのであれば少し残念だと感じてしまいます。コカ・コーラブランドへのこだわりを表現したパッケージになっていないのではないか?と感じました。
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